食物アレルギーの本当の原因は?医師が認めたがらない改善方法
2004年から2013年の間に、小中学校の食物アレルギーを持つ児童が1.7倍に増加しました。
また、平成24年に学校給食を食べることで起こった不幸な事故が大きな転機となり、食べ物でアレルギー反応が出る、そしてその食物アレルギー反応が命にも関わる大変危険な症状となり得る、ということは広く認知されることとなりました。
そしてその後、東京都だけでなく文部科学省も再発防止の対策を強化し、アレルギーを持つ児童には必ず年に1回、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」を提出して貰い、活用を徹底するように通知が行われています。
ですが、「食物アレルギー自体がなぜ増えているのか?」については、現段階では調査中だからなのでしょうか?公表はなされず、食物アレルギーを持つ児童の把握と、その児童の詳細を知ること、食物アレルギーによる事故を未然に防ぐこと、アナフィラキシーショックが起こった場合には30分に以内にエピペンを打つこと、だけが強化されました。
よくある対症療法です。これで良いのでしょうか?
誤食を避け続けるのには限界も
下のグラフをご覧ください。これは、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター小児科から出された2007年1月から2009年7月の誤食による緊急受診例になります。
誤食を避けるには、毎日家庭で作る食事だけでなく食物アレルギーを持たない家族の食事全般や、親の目の届かない学校での給食。また、外出時には家族一緒に食事を取ることが出来るレストランを見つけなければいけません。
そう、気を付け続けること、家族中で理解し合って生活をしていくことは、本当に大変なのです。
こちらのページでは、食物アレルギーが増えている原因と、症状自体を少なくするための国も医師も認めたがらない改善方法を、いくつかの文献と、私の育児経験からご紹介致します。
食物アレルギーを持つご本人だけでなく、ご家族皆の負担が少しでも減らすことが出来れば幸いです。
スポンサーリンク
「本来無害であるはずの食物に反応」という認識は間違い
まず、食物アレルギーがなぜ起こるのか?について、よく聞く説明を簡単にご紹介致しますと・・・
免疫は、私たちの体の外から入ってきた異物(細菌やウィルス)を排除するという大事な役割を果たしています。ところが、本来反応すべきない時に「免疫」が過剰に働き、反応してしまうことがあります。
本来無害であるはずの食物に対して体が反応するのが、食物アレルギーです。
と、一般的にはそのように説明されています。
ですが、私たちが普段何気なく食べている食べ物は残念ながら、農薬と化学肥料、遺伝子の組み換えや様々な食品添加物、加工時の薬剤と調理器具などによって、無害ではなくなっています。
食べ物として口に入る化学物質によって、それぞれの個体の性質に応じて特定の食物に対するアレルギー症状が強く出る原因となっている、ということです。
この事が食物アレルギー患者を増やし続けている一つの要因となっており、また、国や医師が認めたがらない事柄の一つになるのです。なぜなら、これを認めますと、国内外問わず多くの企業、団体(医薬品業界、医師を含む)、そして農家の方が不利益を被るからです。
2020年に開催される東京五輪・パラリンピックでは、12年のロンドン、16年のリオに引き続き、選手村や競技場の食材基準に有機(オーガニック)農産物が使用されるようです。また皇室では、無農薬無化学肥料の食材を基本としているのですが、双方とも大きく取り上げられることはなさそうです。
ですがその件については、「口に入るもの」=「食物アレルギーの原因」と関連付けやすいからでしょう、幾人かの見識ある医師の助言を受け、または親御さんご自身で調べられ、出来るだけ「安全な食材」を選び、「安全な調理器具」を使い、家庭で料理を作る方法を取る方が多くおられ、ある一定の効果をあげています。
そして私もそうでした。
食材全般については今ご覧頂いております下記の章にて、
調理器具については下記のページにてご紹介しております。
>> 【アルミ鍋の危険性】離乳食に使用不可!赤ちゃんに深刻なダメージ
ですが、いくら無農薬無化学肥料や有機栽培の野菜を食べても、抗生物質や遺伝子組み換えの輸入飼料を使用しない卵や肉類を食べても、化学調味料無添加で昔ながらの作り方をされている調味料や浄水器を通した水を使用しても、「食物アレルギー症状」が殆ど出なくなる、または、ほぼ気にならなくなるまでに改善した方は少ないと思います。
どんなに努力しても、体の中では常に火種がくすぶっていて、些細な事で発症しているような感覚なのです。
そして、実はそこに国も医師も認めたがらない食物アレルギー改善方法の最大のヒントがあるのです。
1970年を境に増え続ける食物アレルギー患者数 原因は環境に
下のグラフは、東北・宮城県の坂総合病院から出された食品起因のアナフィラキシー発症若年患者の救急搬送数の推移になります。
そしてこのグラフを基に、1970年を境に何が起きているのかの推測が幾たびもなされています。
1945年に終戦を迎え、1947年脱脂粉乳を使った給食が開始され、1964年には脱脂粉乳から牛乳へと移行していることから、食生活の変化が原因なのではないか?と考えられたり、清潔志向が問題なのでは?とも。
原因はいったい何にあるのでしょうか?
清潔志向による寄生虫の減少がアレルギーの原因?
国立成育医療センターの資料によると、1950年代に生まれた方のIgE抗体の保有率は44%でしたが、1970年代の職業人で88%に、さらに都会生まれの学生となりますと92%となっています。
また、「ニホンザルにおけるスギ花粉IgE抗体保有率に関する血清疫学的研究」京都大学によりますと、杉特異的IgE抗体保有率は、ヒトの場合1973年から1984-5年の10年間で約4倍に急増していたが、ニホンザルにおいては過去20年の間の増加は認められなかった、と記されています。
大量のスギ花粉を私たちと同じように、いえ、より近くで吸い込んでいるニホンザルには花粉症が人のように増えていない、ということです。(※花粉症になるニホンサルも確認されています)
このことから、寄生虫を徹底的に排除した結果ではないか?
清潔志向から、菌に触れる機会が減り、幼い時に持つべき耐性を得られないからではないか?
などなど・・・。
では清潔志向を止め、菌に多く触れる生活を送ればアレルギー疾患は減るのでしょうか?
幼い時に菌に触れる機会が多ければアレルギーが出ない?
300年以上前にアメリカに移民した当時のスタイルを頑なに守っているキリスト教の一派、ドイツ系移民・アーミッシュの暮らしがNHKスペシャル「新アレルギー治療~鍵を握る免疫細胞~」で紹介され、注目が集まっています。
なぜなら、彼らは都会で暮らす人に比べて花粉症は20分の1、アトピー性皮膚炎は10分の1と、極端にアレルギー疾患が少ないということがわかったからです。
なぜなのでしょう?
ちなみに番組では、家畜の世話を幼い時からおこなっているため、免疫細胞が育っているせいではないか?と推測していました。なぜなら、彼らは車を持たない生活を送っているため、馬は必要不可欠であり、また自給自足の生活をしているため、家畜の世話は日常的な事となっているからです。
しかし、幼い時から家畜や動物と触れ合うことにより、結果として大量の菌と接触する暮らしがアトピー性皮膚炎や食物アレルギー発症を少なくする要因となるのであれば、私たちと同じ一般的な暮らしで畜産業を営んでいる方の家族やペットと暮らしている家族が、動物と暮らしていない方と比べて症状が出る確率が低いわけではない、という理由も、またヒトと暮らすペットにまでヒトと同じ症状が出ているという事実がなぜなのか?その理由も説明できません。
では家畜が常に周りにいることの他に、私たちの生活と何が違うのでしょうか?もう少し詳しくアーミッシュの生活を見てみます。
化学物質の影響がとても少ない生活
アーミッシュは基本的に、農薬や化学肥料を使用せず作物を作り、家畜を育て、服を手作りし、化粧をしてはいけないという規律があることから化粧もせず、また前述しましたとおり車を持たずに生活をしています。
ただ洗剤は市販のものを使用しているようですので、合成洗剤ゼロの生活ではありませんが、必要最小限に留めているよう。
またアーミッシュは、通常特定の地域にアーミッシュだけでコミュニティーを作り暮らしています。普通の生活を送っている方々と同じ場所で混在して暮らしているわけではありません。
そして電気も使わない生活をしていますので、家電も電話も持たず、電磁波の影響も限りなく少ない生活を送っています。
アメリカ国内にいくつかあるアーミッシュの人々が住む特定の地域内で使用、または排出される化学物質の量が非常に少なく、また電磁波の影響は限りなくゼロであるということ。
これは家畜に触れ合う機会の多さの他に、アレルギーが少ない要因として考えることが出来ます。
そして前述致しましたニホンザルの事例にも共通する部分ともなります。サルは農薬も化学肥料も日用品も、そして車も使いません。
なおアーミッシュの生活については下記のサイトが参考になります。
このサイトにある動画のように広い範囲で化学物質の使用量が少なければ、空気を汚染する揮発性有機化合物(VOC)も当然少なく、彼らの吸っている空気質は私たちの周りと比べて非常に良好であると推測できます。
農薬や化学肥料は、散布後揮発した成分を直接吸入、また大気中に拡散したそれらを元に生成されたpm2.5を吸入することで体に深刻な害を及ぼしていることが大きな問題となっています。
また、VOC濃度は高くなるにつれ、体に与える害は大きくなります。
なお遺伝的な観点も気になるところですが、アーミッシュ以外であった方との婚姻もされていますから、特別な遺伝子を皆持っているというわけでもなさそうです。(元の宗教は何であれ、改宗しアーミッシュとなれば良いそうです)
ですので、遺伝より「環境による影響」からアレルギー疾患が少ないのではないか?=誰にでも当てはめて考えることが出来るため注目されている、ということです。
(ただし、これは私見ですが、化学物質の使用量が少ないため、子に受け継がれた遺伝子の損傷は少ないと思います)
ですが実は、環境が私たちの体に与える影響についての考察は随分前からおこなわれており、空気質の悪化が様々な疾患の原因となっているということは多くの知識人の間では周知の事実なのです。
そしてそれらの意見を基に現在環境省が行っているのが、対象者が10万人を超える大規模な追跡調査、エコチル調査です。エコチル調査については下記のページにてご紹介しております。
>> エコチル調査をご存知でしょうか?結果が出る前に行動を!
では空気質が食物アレルギーにどのように影響してくるのでしょうか?
食物アレルギーは皮膚からのアレルゲン吸収でも発症
以前から食物アレルギーは、同じ時期に発症するアトピー性皮膚炎と関連性があると考えられていました。そしてそのパターンは特に乳幼児に多く見られ、日本では0歳児で85.7%、1歳児で75.6%報告されています。
また、平成23年3月に厚生労働省が出した「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」には、アトピー性皮膚炎のバリア機能障害によって皮膚の隙間が多くでき、アレルゲンが皮膚を透過しやすくなっていることが記載されています。
参典:「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」厚生労働省
上記の事柄をもう少し具体的にご紹介します。
食べていないのに食物アレルギーが発症
近年,多くの研究により経皮感作のメカニズムが明らかにされ始めている。このメカニズムが注目される契機となる研究を発表した Gide on Lac kらは, ピーナッツアレルギー発症群,卵アレルギー発症群, コントロール群で比較した場合,ピーナッツアレルギー発症群で有意に家庭の環境中にピーナッツ抗原量が多いことを示し ,家庭でのピーナッツ摂取量に比例して環境中のピーナッツ抗原量は増し,それは食卓のみならずベビーベッドにも存在し ,容易に家庭の環境に拡大していき,通常の清掃ではその抗原量を減少させることができないことを示した。
引用:「食物アレルギー発症予防を目的とした乳児期早期の湿疹に対するプロアクティブ療法の効果:後方視的ケースコントロールスタディ」近畿大医誌)
これは、家族が食べた食物の成分が屋内のあらゆる場所に存在すること、たとえ食物アレルギーを持つ方が口から摂取しなくても、それらは肌から侵入し食物アレルギーを起こす要因となる、ということです。
ですから見識ある医師は、強い食物アレルギー症状を持つ家族がいた場合、家族全員で特定のアレルゲンを除去するように指示するのです。
・・・実際には非常に難しいことなのですけどね。
そして、炎症を帯びた皮膚を通じた食物抗原の感作を、湿疹(アトピー性皮膚炎)をステロイド剤で治療することで減らし、アレルゲンを早期に摂取させることで食物アレルギー予防が可能となるのではないか?と推測した実験が、2011年1月~2014年6月の間に近畿大学医学部小児科と、市立貝塚病院小児科を湿疹を理由に受診した乳児を対象として行われたのです。
以下、上記の実験についての論文、「食物アレルギー発症予防を目的とした乳児期早期の湿疹に対するプロアクティブ療法の効果:後方視的ケースコントロールスタディ」近畿大医誌)よりご紹介致します。
ステロイド軟こうによりアトピー性皮膚炎の症状を抑えながらアレルゲンを摂取 その効果は?
比較対象はアトピー性皮膚炎を持つ140人の乳児。その中から既に食物アレルギーが確認されている患者、受診を中断した患者等を除き、最終的に128人を対象とし、さらにその対象を生後4か月以下の早期群66人と、生後5か月以降の晩期群62名の2群に分けています。
そしてそれぞれアレルギー検査を行い、出た数値が低値(特異的IgE0.34以下)の場合は基本的に自宅で通常通り離乳食を摂取、高値の場合は病院での食物経口不可試験を実施して行われました。
その結果、以下のように結論が出されています。
乳児の湿疹に対して早期に皮膚治療を開始することで、1才半時の食物アレルギー発症のリスクを低減化させる可能性が示された。
食物アレルギー発症予防のためには,乳児期早期からのアレルゲン摂取とあわせて,皮膚治療を行なうことが重要である。
しかし,初期の特異的 I gEが低いために自宅での摂取を指示している中から9例(1 . 8 %)の食物アレルギーが発症したことは反省し,今後多いに検討すべき点である。
乳児期早期から湿疹を有する様な児は,食物アレルギー発症のハイリスク群として食物経口負荷試験を医療機関で実施し,診断することが必要であると考えられる。
そこで母として単純な疑問が出てきます。
- 出ている湿疹やアトピー性皮膚炎に対して原因を特定せず薬剤による対症療法を行っていますが、果たしてそれで良いのでしょうか?
- 食物アレルギー予防効果はある程度あったとして、アトピー性皮膚炎は治ったのでしょうか?
ステロイド剤の使用によってアトピー性皮膚炎の症状と、食物アレルギーで起こる皮膚症状等を抑えながらアレルゲンを摂取することにより、食物アレルギーが予防出来る可能性が示された、ということなのですが、少なくとも私の経験によりますと、乳児湿疹やアトピー性皮膚炎は食べ物と日用品の見直しで治り、また食物アレルギーも同様でした。詳しくは後述致します。
また、その除去食必要?食物アレルギー反応を小さくする方法でもご紹介していますが、「厚生労働科学研究班による食物アレルギー診療の手引き2014」によりますと、アトピー性皮膚炎の保湿剤によるスキンケアでは、食物アレルギーの発症予防効果は証明されていない、とあります。
さらについ最近までは、アレルゲンを食べさせることで食物アレルギー治療を行う医師が多くいました。
2017年11月、神奈川県立こども医療センター(横浜)で牛乳アレルギー治療のために経口免疫療法の臨床研究に参加していた子供が、激しいアレルギー症状を起こし一時的に心肺停止し、脳に障害が残る悲しい出来事がありました。そのため、日本小児アレルギー学会は各医療機関に、細心の注意を払うよう呼び掛けています。
しかし、食物アレルギーの症状は、よだれや腹痛などの些細?な症状としても表れますし、また、中耳炎として現れる場合もあります。そのことには気が付いておられなかったように思います。
湿疹や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などの症状であれば、外見から親にでも異常に気付くことができますが、「痛み」については、赤ちゃんは泣くことや機嫌でしか伝えることが出来ません。
そしてそれらの症状は、親であってもつい見逃してしまうサインとなっていますから、気を付ける必要があります。
よだれについての詳しくは、下記のページにてご紹介しております。
>> 赤ちゃんのよだれは中毒症状、将来にも影響が!原因を知り対策を
では次に、腸粘膜の損傷が各種アレルギーの原因となっているとする新説、リーキーガット症候群について簡単にご紹介いたします。
アレルギーの原因は腸壁の傷?では傷ができる原因は?
「食物アレルギーの原因が腸壁や粘膜の傷=リーキーガット症候群[Leaky Gut Syndrome(LGS)]にある。」
食物アレルギー疾患が元で受診された病院でもそのように言われることがあるかと思います。
では腸壁や粘膜がどのようになっているというのでしょう?下の図をご覧ください。
リーキーガット症候群(LGS)は右の図のように、腸壁に傷がつき、本来腸壁内に入ることのできない物質が侵入出来る状態となります。
そのため分子の大きな未分解の食事成分が侵入し、食物アレルギーが起きているのではないか?と推測されているのです。
腸壁の傷が意味するもの
そこでもう少しつっこんで考えてみます。(※私見を含みます)
腸壁に傷がつき、口から入った物が消化器官のバリア機能をパスし腸壁内に侵入する。
これが何を意味するかと言いますと、口から入った物はバリア機能を持った消化器官を通るため吸収されにくく、呼吸器からの摂取よりも毒性は低くなるとした化学物質の安全性を評価する際の今までの定説では安全性が確保されない可能性が高い、ということです。
そして前述致しました皮膚バリアの件についても、空気中に存在する物質は肌バリアが正常でなければ容易に体内に侵入するということだけでなく、一見正常に見える肌であっても実際には正常なバリア機能が働いていない場合がある、ということも判明しています。
これは、アトピー性皮膚炎のように明らかな皮膚症状を持たない方、例えば、乾燥肌気味の時もある、と言った殆ど自覚症状の無い方でもバリア機能が正常に働いていない可能性があるということ、言い換えれば、誰でも皮膚から外的要因を受ける可能性がある、ということを意味します。
原因に蓋をしていては受ける影響は拡大の一途をたどる
もう一度、先にご紹介いたしました肌バリアの画像とリーキガット症候群の画像をご覧ください。
参典:「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」厚生労働省
双方とも、本来あるべきバリア機能が無くなり、外的要因を受けやすくなっています。
何らかの影響によりバリア機能が破壊され、破壊された部位からさらに影響を受けるという悪循環が起こっているのです。
そしてリーキーガット症候群を治すには、食品添加物・抗生物質を含む食材や薬剤そのもの・重金属等の口から入る有害物質の摂取を止めるほかに、合成洗剤や除菌剤等の様々な人体に対して有害だと認められている化学物質を含む日用品を使わないこと、などが言われています。
これは、リーキーガット症候群の原因が、それらにあることを意味します。
見逃されている一番重要な事、それは空気質の改善
私たちの周囲の空気に含まれる成分は、呼吸・肌を通して体内に侵入するだけでなく、食事と共に体内にも運ばれています。(※呼吸によっては食道から先に空気は運ばれないと言われています)
呼吸+経皮+消化器官と、全てのパターンで体内に侵入するということです。
環境を良くすることを率先して行う必要がある
アーミッシュの生活を、アーミッシュが吸っている空気質をもう一度思い出して下さい。
そして、アレルギー疾患が急激に増え始めた1970年代に何が起きたのか?これを避けては答えが見えてきません。
ではいくつか挙げてみます。
- 農薬使用量が最大となる。
- 残存性が高く、生物内濃縮が問題視された環境負荷の大きな農薬や合成洗剤を安全性の高い物に切り替え始めた。
- 鉄工業、原油の輸入量が一気に増加し、産業構造の激変期を迎える。
- 自動車の排気ガスによる大気汚染が大きな社会問題となる。
- 光化学スモックの発生件数がピークを迎える。
- 河川の汚染がピークを迎える。
- 食品の安全にかかわる問題について関心が高まり、合成甘味料のチクロの不買運動や食品添加物のAF2(フリルフラマイド)の追放運動が起こり、使用が禁止された。
- 母乳に含まれるダイオキシンの濃度が高くなり、母乳はあげない方が良い、とする意見が出る。
高度経済成長で大きく飛躍した産業が、環境に大きなマイナスの影響を与えたことが示されています。そして大量に使用され、分解されずに環境中に存在し続ける化学物質による影響が出始めたのが1970年代。
そしてそれを境に増え続ける各種アレルギー疾患。
食生活の変化も当然考慮すべきですが、同時に環境からの影響を考慮すべきです。
ただ上記に示した事柄は、主に企業側が汚染物質を排出していたことが原因であり、要するに私たちが原因ではない、と捉えることが可能です。
また、農家でなければ農薬に関しても自身ではどうにもならないことの一つに分類できます。
ですが実際には、家庭で使用される様々なものが私たちの体に大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?
私たちが購入してきたものによって屋内の空気質が汚染され、様々な疾患の原因となっている、ということです。
各種アレルギーが合併して起こっていることの意味
現在では数多くのアレルギー疾患があり、また新しい疾患が報告され続けていますが、いずれも合併して起こしている割合が多く、症状があらわれている部位ごとに原因を切り離して考えるのは良い方法ではありません。
くどいようですが、アレルギー疾患の改善は、安全な食材と、空気質=環境がセットで可能となるのです。
もっと言いますと、特定のアレルゲンを除去することで重篤な症状を発症させないことには繋がっても、改善はしないということです。
これで最後になりますが、私と、私の知り合いが経験した出来事をご紹介します。何かヒントになれば嬉しいです。
日常の中にある食物アレルギー発症の意外な原因
私の家族は、子供が生後2か月の時から化学調味料・食品添加物等は除去し、1才頃からは無農薬無化学肥料の野菜を基本とした生活を送っています。よって、外食も年に数回あるのみで、店舗も事前に調べて行きます。そして合成香料も合成洗剤も不使用、衣類の素材は綿100%-95%です。
そのためか、乳児期に出ていた食物アレルギー症状は、蚊に刺された時以外は特に気にする必要が無く、普段はどの食材でも食べています。また、外食についても食品添加物を多用していないかと、使用されている食材そのものの安全性を調べて行くくらいで、アレルゲンについては考慮していません。
ですが保育園の時、サッカーをするためにビブス(ゼッケン)を1時間程、たった一度着せられただけで胸からお腹まで真っ赤になって帰宅し、(アトピー性皮膚炎の発症)、普段行っていないレベルの食事制限、タンパク質の除去等を約1か月も行うということが起こりました。
ビブス着用でアトピー性皮膚炎+食物アレルギー発症 回復までの経緯
当時、今まで経験したことの無い出来事に私も大変驚きましたが、過去に何度か皮膚症状が出ているときにアレルゲンを摂取させることで食物アレルギー症状の出現を経験していますので、その夜からすぐに食事制限を行いました。
なお、アトピー性皮膚炎の完治=食事制限の解除までは1か月必要としました。
経緯は以下のとおりです。
ビブス約1時間着用
↓
アトピー性皮膚炎の発症
↓
食物アレルゲン+たんぱく質の除去
↓
赤みがおさまりサメ肌へ移行
↓
アトピー性皮膚炎の完治+食物除去を中止
なお保育園の先生は、服の上から暫く着せるだけなので大丈夫だと思った、と言われました。多分、誰もがそう思うのではないでしょうか?
ですがこれまでご紹介してきたように、体に成分が吸収されるパターンは、消化器官・呼吸・経皮の3つもあります。
そしてこの件で原因となったのは、ビブスに使われた生地(合成繊維)からの揮発と、洗濯に使用された合成洗剤かクリーニングからの揮発だと私は推測します。要するに呼吸からの暴露が一番大きかったのではないかと考えています。
その後揮発成分は血流に乗り全身をめぐり、消化器官の粘膜と肌のバリア機能に障害が起こり、アトピー性皮膚炎と食物アレルギー症状が出ることとなった、ということです。
次にもう一件、同じようにビブス着用で起こった別の例をご紹介いたします。
ビブス着用でアトピー性皮膚炎+蕁麻疹+食物アレルギー発症
これは知り合いのお子さんに起こったことです。
そちらのご家庭でも我が家と同じく無農薬無化学肥料の野菜を基本とし、食品添加物は一切なし、合成香料も合成洗剤も使わない生活を送っておられます。
ただ私の子供と大きく違うところは、蕁麻疹の症状が保育園の頃から出続けていたため、小学校3年の夏休みまで抗アレルギー剤を常に服用していたという点です。
当時服用していた抗アレルギー剤・アレジオンですが、夏休み期間中に屋内のにおいのする物(VOCを発している物)、例えば印刷物やおもちゃなどを屋外に出すことで必要としなくなりました。
原因は必ず屋内にある、ということです。
ではビブスの件に戻ります。
こちらのお子さんは、学校の授業中に数回着用したビブス(ゼッケン)でアトピー性皮膚炎と蕁麻疹、食物アレルギー症状が強く出ることになりました。
実は、ビブスの件を先方に前もって伝えていれば良かったのですが、数年前の事でしたので、うっかり忘れていたのです。そのため、ビブスの着用が原因で肌に症状があらわれていることに気付くのが遅れ・・・その節は大変申し訳ございません。
ですが、着用3回目ほどでビブスに疑問を持ち、電話を下さったのです。
そこからが大変でした。
電話を頂いたのが夕食後で、過去に除去していた豆製品を摂取した後でした。そのため電話の最中に酷い蕁麻疹が発症し、抗アレルギー剤を服用。その後は抗アレルギー剤を2週間程服用なさいましたし、皮膚症状もかなりひどく、とても痛々しい状態でした。さらに、体質的に私の子どもよりはるかに多くの食物制限が必要でした。
ですが、最終的には1か月強で元の奇麗な色白の肌とピンクのほっぺを取り戻されましたので、本当にほっとしています。
なお除去した食材についての詳しくは、下記のページにてご紹介しております。お子さんの体質に合った除去を試してみて下さい。
>>赤ちゃんの虫刺され後は食事に注意!腫れ・かゆみが早く引く方法
よくリーキガット症候群の治療方法の一つに「胃腸を休ませること」が書かれていると思いますが、多分私の行ったことはそういったことにもなるのだろうと思います。
まずは自身で確認し、実行すること
現在では、目的に合わせた大変多くの種類の日用品が販売され、また嗜好性が高く残効性の高い合成香料を使用した製品が沢山あります。他にも、クリーニングに使用される溶剤に合成洗剤・防虫剤に消毒・除菌・抗菌剤etc・・・。
しかしこれらに発がん性や環境ホルモン作用を持つ化学物質が使用されているということは、公共の電波で流されることは絶対にありません。なぜなら、それらを製造販売する企業は、政財界のあらゆる分野にてスポンサーだからです。
また、環境の改善によってアレルギーが改善するという事実は、医師には受け入れがたいものです。なぜなら、診療報酬が極端に減少することに繋がるからです。
実際に、薬物治療を行うことができず、環境と食事の指導をする以外に治療方法のない化学物質過敏症患者を診てくれる病院は極端に少ないです。そして私の住む県の近隣にはありません。
アレルギーを持つ人が増えた原因は、「清潔志向」によって菌に触れる機会が減少したことも一理あると思いますが、「清潔志向」による一番の害は、清潔志向によって使用される発がん性や様々な毒性を持つ成分を含む商品です。
また、歯磨き剤は粘膜に直接影響を与えるでしょう。
何か購入される際には、何が配合されているのかを、その都度ご自身で確認してから使用するようになさって下さい。毒性が判明していても、政府は簡単に規制したりしません。
腰を上げ、実行するのはとても骨が折れることです。私自身、除去すれば良いのだろうと思いながらもまだ行っていないことはいくつもあります。
ですが、まずは嗜好品を外してみませんか?アレルギー患者の体は随分楽になります。そうしますと結果的に家族全員の負担が減ることになります。
なお食物アレルギーは、食物だけを除去していても反応を恒久的に無くすことはできませんが、安全な食品を選ぶことによって、一定レベルまでの改善は確かに見込めます。こちらのページの下に表示される一覧から可能な事から出来ることを始められてみてはいかがでしょうか?
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
スポンサーリンク