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化学物質過敏症患者が日用品や食べ物を変えなければ改善しない理由

化学物質過敏症患者が日用品や食べ物を変えなければ改善しない理由

 

化学物質過敏症患者が日用品や食べ物を変えなければ改善しない理由

化学物質過敏症 日用品 食べ物 変える理由

化学物質過敏症は、日用品や食べ物を安全なものに変えれば症状が軽くなると病院で説明を受けます。

 

それは、患者の身の回りや食べ物に含まれる化学物質の量を減らすことで、目や鼻、喉への刺激や頭痛、目や手の痙攣やイライラや疲労などの様々な肉体的や精神的な症状が改善されることが、私たち患者のデータからわかっているからです。

 

  • 原因物質の回避が有効、という点が本症とアレルギー疾患との共通点
  • 現時点での対応としては、症状を誘発させると考えられる原因物質からの回避がもっとも有効な対処法

引用元:平成28年3月 東海大学 「平成27年度環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書」

 

※本症とは化学物質過敏症を指します

 

ですが、いきなり普段の生活に密着したものばかり変えなさいと言われても、ご家族は当然ながら、本人でさえも全く納得のいく話ではありません。

 

そしてそう感じるのは自然で、もっともな話です。

 

ただし私の経験からしても、今まで通りの生活をしていて症状が改善することはありませんし、『これくらいは良いだろう』の積み重ねが症状の長期化、または悪化させる原因となります。

 

ですのでこちらのページでは、なぜ化学物質過敏症患者が、日用品や食べ物も有害な物質が含まれない商品に変えなければ改善しないのかを、ご自身で考え、理解し、行動していただくために、今考えられている発症原因の仮説から掘り下げてご紹介いたします。

 

医師が何を言っても、私たち化学物質過敏症患者が過去の経験からどんな情報を出そうとも、あなたとご家族が協力して行動するしか、改善する方法はありません。

 

ぜひ、あなたご自分で考え、答えを見つけ、行動する癖をつけてください。

 

改善した人は、自ら行動した人です。


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化学物質の摂取ルートは、呼吸・食事・皮膚の3通り

短期間で高濃度の化学物質を摂取したり、低濃度であっても長期間摂取したことで発症すると言われる化学物質過敏症(MCS)。

 

そして化学物質過敏症(MCS)の説明をする時にいつも用いられるのが、コップの例えです。

 

化学物質過敏症 化学物質 排出量 発症

 

人それぞれ排出(処理)能力には差があり、体に入ってくる化学物質が、その個体の排出(処理)能力を超えた時に、化学物質過敏症(MCS)を発症する、というものです。

 

ただコップの例では大まかすぎて、『どのように』入ってくるのか、何に対処すれば良いのかがわかりません。

 

実は、物質の侵入経路は、呼吸・食事・皮膚の3つあります。

 

 

化学物質の侵入経路

 

このように、呼吸・食事・皮膚から入ってきた化学物質が、あなたの排出(処理)能力を上回ったために、さまざまな症状が現れていると考えられているのです。

 

今ある仮説はここまでですが、将来的には遺伝的な弱点だけでなく、先天的(胎内)、後天的(出生後)に傷つけられた箇所(から)の作用についても説明されるようになるでしょう。

 

食事だけ変えても、日用品だけを変えても良くならないのはそのためです。

 

また、排出(処理)能力については下の図をご覧ください。

 

化学物質過敏症 排出能力 許容量

 

体にとって不必要なものはこのように、便・尿・汗・呼気として体から排出されます。

 

ただ、器官によって排出されやすい化学物質の種類は違ってきます。

 

ですので4つの排出ルートを全て滞りなく働かせることは、呼吸・食事・皮膚の3ルートから入る化学物質を無くすことと同じく非常に重要なポイントとなります。

 

なお発汗については、入浴による解毒だけに頼る方がおられますが、筋肉を動かし体の中から温めることとは作用が違いますので、両方取り入れるようになさって下さい。

 

体(神経)を動かし、肺活量と体温を上げ、免疫力と内臓の働きを良くする。これは全体の排出能力を上げるうえでとても重要なことです。

 

1つの化学物質であっても使う先は2つ以上ある

 

ホルムアルデヒドの用途

 

Aという1つの化学物質であっても、使う先は、B、C、Dなどと複数になります。

 

例えばシックハウス症候群の原因となるため室内濃度が規制されたホルムアルデヒド。

 

こちらは下記の様な毒性を持つ化学物質になりますが、建物に使われる材料(建材)だけでなく、飲料・紙・食器・衣類・家具・医療などの様々な分野で使われています

 

危険有害性情報:

  • 飲み込むと有害(経口)
  • 皮膚に接触すると有毒(経皮)
  • 吸入すると声明に危険(気体)
  • 皮膚刺激
  • 強い目刺激
  • 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
  • アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
  • 遺伝性疾患のおそれの疑い
  • 発がんのおそれ
  • 神経系、呼吸器の障害
  • 長期又は反復暴露による呼吸器、中枢神経系の障害
  • 水生生物に毒性

 

引用元:「ホルムアルデヒド」の安全データシート(SDS) 職場の安全サイト 厚生労働省 

 

そのため一種類の化学物質であっても、呼吸・食事・皮膚からと、使い先によって3つのルート全てから体に取り入れることになります。

 

同じことは他の化学物質についても言え、いくつかの物を捨て原因を取り除いたと思っても、まだ実際にはあなたのそばにあり、体調が良くならない原因となっている可能性があります。

 

また、例え職場にしかない一種類の化学物質が原因で発症したのだとしても、その一種類の化学物質で全身症状が出ているあなたのまわりに、ホルムアルデヒドの様な有害な化学物質があると体への負担は大きくなり、症状改善の足を引っ張ってしまいます。
(実際には、それらにも反応している、ということもありますが)

 

ですので日用品や食べ物を体に安全なものに変え、あなたができる範囲内の全体の総量を徹底的に減らす必要があるのです。

 

それでもまだ空気中には何千という化学物質があるのですから。

今すぐに、取り除ける化学物質と取り除けない化学物質を分けて動く

取り除けない物と取り除ける物を分ける

化学物質過敏症の症状がでる原因となる化学物質は、特に今まで安全性などに気を使っていなかったのであれば、あなたの身の回りのあらゆる物に使われています。

 

本当に、ほぼ全てです。

 

ですが私の場合は、まず食事と洗剤類を変えなさい、そう言われただけでも、一度になんてできない!そう思いました。

 

きっと、誰だってそう思うと思います。食べたり使ってはいけない理由がよくわからないのですから。

 

ですが、とりあえず食品については加工品や添加物の入った調味料の購入は一切やめることにしました。

 

私の場合、『化学物質過敏症』という言葉を知らない母乳育児中に、乳腺炎と赤ちゃんの体調を悪くしている原因を無くすように言われたので、子供のためと思って動いています。

 

悪い意味で我慢強い方でしたので、子供がいなかったら動かなかったと思います。

 

詳しくはプロフィールをご覧いただけますと幸いです。

 

ですが調子がとても良くなることはなく、その次にシャンプーを変え、洗濯用洗剤を変え、醤油を、味噌をと、反応していると感じたものを順に買い換えていきました。

 

そうしている間に時間はどんどん過ぎて反応物が多くなっていったのです。

 

これは推測ですが、中枢神経が傷つくと治りにくいことにも関係していると思っています。時間を追うごとに傷つく場所が増えていくのでしょう。
(農薬に代表される有害性の高い化学物質は、中枢神経を傷つけます)

 

そうなりますと、順に変えていっているのに、自身では生活は大きく変わったと思っているのに、症状が良くならないどころか逆に過敏度が上がっていくわけです。

 

大変でした。私も家族も。

 

次から次へと物を捨て、替え、あれダメ、これダメ、といつまでも反応し、言い続けるのですから。

 

ですから、化学物質過敏症を発症したことがわかったのであれば、四の五の言わず、今すぐに最善の方法を取るのが良いです。

 

取り除ける化学物質と取り除けない化学物質をわけ、取り除けるものは今すぐに除去するのです。

 

例えば、家の構造材(壁の中の柱など)は取り除くのが難しいですし、隣家からの柔軟剤の香りや、散布された農薬などの揮発した成分は取り除くことが難しいです。

 

しかし、家具や棚板などは無くすことができますし、合成洗剤や食品などは代替品がいくらでもあります。

 

今まで気にしてこなかっただけで、『安全性』を求めた商品は年々増え続け、選択肢もぐっと増えています。

 

なお下記の各章に、私が使えた、食べられたものや選び方をまとめています。

 

食品:
育児のポイント・もっと詳しい食べ物選び

 

住宅環境など:
子供が健康に育つ環境をつくる

 

日用品:
日用品に潜む危険・子供を化学物質から守る

 

 

育児と化学物質過敏症の症状改善と一緒にしないで欲しい。そう思う方も中にはおられるかもしれませんが、今、あなたが感じている体調不良は、実は赤ちゃんや幼い子供たちも感じています。

 

同じように苦しんでいるのです。ですが私たちとは違って説明はできませんから、誰にも分ってもらえないつらさは私たち以上です。どれだけ泣いても、よしよし、と抱っこされるだけで、状況は何も変わらないのですから。

 

少し話がずれましたが、赤ちゃんが悪い反応をしない商品は、私たち化学物質過敏症患者が食べ、使えるものです。

 

もしあなたに赤ちゃんや幼いお子さんがおられるようであれば、赤ちゃんの様子から健康状態をしりましょうの章をご一読いただき、反応が無くなるまで生活を変えてみてください。確実に連動していることに気が付くはずです。

 

とにかく、今すぐに、行動してください。早く動いた分だけ早く体が楽になります。

 

 

次に、赤ちゃんと化学物質過敏症(MCS)患者との関連性についてご紹介いたします。ご一読いただけますと幸いです。

 

>> 化学物質過敏症の症状改善には【赤ちゃん】が大きなヒントに


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