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家族が入院!化学物質過敏症(CS)患者の自衛手段と知識の必要性

家族が入院!化学物質過敏症(CS)患者の自衛手段と知識の必要性

 

家族が入院!化学物質過敏症(CS)患者の自衛手段と知識の必要性

家族の入院

化学物質過敏症(CS)患者にとって、病院は苦手とする場所の一つです。

 

病院で使用される薬剤だけでなく、病院で勤務・受診・お見舞い等に来られている方々が使用なさっている合成香料等を含む日用品全てが体調不良の原因となるからです。

 

ですが家族が入院をし、自身が主体となって動く必要のある場合はそうも言っていられません。

 

そして化学物質過敏症(CS)患者である、あなたの知識が役立つ時にもなります。

 

こちらのページでは、化学物質過敏症(CS)患者が病院でどのように身を守れば良いのか、入院なさったご家族をどう守れば良いのかをご紹介致します。


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家族が化学物質過敏症(CS)でなくても換気を主張する

換気の重要性を主張

現在では病院関係者の”化学物質過敏症”認知度が以前と比べて上がっています。(・・とは言え知らない方もおられる場合がありますので、2009年10月1日付で病名登録済みだということを伝えてみて下さい。)

 

ですから、入院をなさったのが化学物質過敏症患者ご本人でなくても、あなたご自身が化学物質過敏症(CS)だということ、そして同じ血が通っている入院なさったご家族も化学物質過敏症(CS)の可能性があるかもしれないということを伝えるようにして下さい。

 

そうすることで換気をする必要性を認識してもらいやすくなりますし、身の回り品をあなたが普段使用している少し使い勝手の悪い、しかし体に安全な品物にすることへの理解が得られやすくなります。

 

なお病院内換気の重要性については、フロレンス・ナイチンゲールが書かれた書物「看護覚え書―看護であること看護でないこと」で述べられています。なお看護師を目指した時にどの看護師も読まされていますので、もし窓開け換気を渋られた場合、書物名を持ち出されますと病院側の理解は早いと思います。

 

詳しくは下記のページにてご紹介しております。ご一読頂けますと幸いです。
>> 大切な命を救うために入院患者の家族が出来ること|空気質の改善

 

ただ、冷暖房効率を主張してこられる場合があります。その際には下記のページが参考になると思います。
>> 病院のにおいは換気量不足が原因!換気システムの過信は危険


ICU(集中治療室)へは抗菌剤や消毒剤を使用しなくても入室できる

手洗いに消毒は不要

化学物質過敏症(CS)にとって抗菌剤や消毒剤といえば、体調を悪くする代表的な物の一つになります。ですがICU(集中治療室)に入室する際には履物の交換と手洗いが必要となり、手洗い器の前に立ちますと除菌効果を謳う薬用ハンドソープが目に入ると思います。

 

ここで”普通はしなければ入れない”と思うのですが、実は、化学物質過敏症(CS)、またはアレルギーがあると言えば薬用ハンドソープを使用しなくても入室が出来るのです。
(私の場合は水だけで良いと言われましたが、ハンドソープを使用しない分入念に洗うことは必要です。)

 

ですが、ICU(集中治療室)にいる家族に会いに行くのに除菌しなくても本当に大丈夫なのかしら?と不安に思われる方もおられると思います。ですが、薬用ハンドソープの効果は特に無い、とアメリカで発表されたのをご存知でしょうか?

 

薬用ハンドソープの効果は特に無いが健康を害する可能性はある

 

2016年9月2日、米国食品医薬品局(FDA)が、殺菌剤として使用されているトリクロサンやトリクロカルバンなど19種類を含有した抗菌石けんを1年以内に販売停止とすると発表し、日本では販売されるいくつかの薬用ハンドソープの殺菌剤成分が(静かに)変更となりました。

 

なぜならそれらの成分には環境ホルモン作用があり、長期にわたって使用することで、筋力の低下・甲状腺ホルモンの減少による倦怠感や代謝能力の低下・胎児への影響・花粉症の発症などが起こる可能性があることがわかったからです。

 

・・・SDS(安全データシート)を見ますと、どれも遺伝疾患・神経系の障害など様々な危険有害性情報が表示されている化学物質ばかりですので、もともと有害性は持っていたのですが・・・・・

 

日本国内では、アメリカで販売禁止措置を取ることに決めた19種類の化学物質を含む製品は約800品目承認されています。(当時流通していない製品を含む)

 

環境ホルモンに関しては下記のページにてご紹介しております。
>> 環境ホルモンから子供を守る!生殖能力だけでなく知能にも影響が

 

化学物質過敏症(CS)である私達であれば、”薬用”や”抗菌剤”入りなどの商品は使ったり揮発した成分を吸入したりすることですぐに体調を崩すことはわかっていますから、ある意味本能的に普段は完全に避けておられるのではないでしょうか?

 

ですからもしかしますと販売停止となることを特に気に留めておられない方がおられるかもしれませんね。ですが、それらを使用することで現れる症状については体験なさった方が多くおられるのではないかと思います。

 

また、本当に効果があるのであれば状況によっては必要な時もあるでしょうが、今回薬用ソープと普通の石鹸では科学的には効果に違いが無いことも同時に発表されています。

 

ですから”薬剤を多用する清潔志向”に毒されている現代の日本人であっても、ある意味気にせず薬用ハンドソープを使用しない方法をとっても良いのです。

 

それどころか、ご自身以外の方についても薬用ハンドソープを使用しないことでICUにいる家族を守ることが出来るのです。

 

薬用ハンドソープからの揮発はICU(集中治療室)の空気を汚染する

 

ICU(集中治療室)への入室は、患者への負担を考えて短時間で済ませるように言われると思います。

 

そうしますと化学物質過敏症(CS)であるご自身以外の”どなたか”と共に入室することも出てくるかと思いますが、その際その方にも薬用ハンドソープの使用を控えるように促して頂きますと、結果的にICUにいる家族を守ることになります。
(その際には安全な石鹸を持参し、その方に使って頂くと良いと思います)

 

現在ではアメリカで禁止された19種類の化学物質を使用した薬用ハンドソープは設置されてはいないでしょう。

 

ですが、どの薬用ハンドソープであっても体に害がある、ということは私たち化学物質過敏症(CS)患者は知っています。そしてその揮発がどれ程つらい物なのかもわかると思います。

 

病院によっては洗面室からICU(集中治療室)に入るまでに薬用ハンドソープを使用した時の揮発性の化学物質を十分に落とすことができる、換気が十分にされた長い廊下がある場合があるかもしれません。ですが、そういった病院はとても少ないでしょう。

 

そうしますと、薬用ハンド―プを使用した時に付着した揮発性の化学物質はICUに持ち込むことになります。

 

入院なさっているあなたの家族はどうなりますか?

 

今は代替品の抗菌剤が使用されているでしょうが、既に禁止された19種類と同じような害が無いとは言えないのです。

 

心臓は筋肉で動いています。大動脈も筋肉で末端まで血液を送る手助けをしています。その他にも生命を維持するためにあらゆる機能が一生懸命働いています。

 

ICU(集中治療室)だからこそ、きれいな空気が必要なのです。一人でも二人でも良いです。わかってもらえる相手だけにでも使用しないように伝えてみて下さい。


化学物質過敏症(CS)のあなたが使える安全性の高い日用品を準備

入院中の日用品選定

ご家族がどのようなことで入院なさっておられるかはわかりませんが、たとえケガであったとしても、体を治すことが必要な状態であるということには違いはありません。

 

また、多くの方が使用している日用品の殆どが、体を治す必要のある方には害がある、ということは化学物質過敏症(CS)であるあなたはご存知のはずです。

 

そしてその知識は今、入院なさっているご家族の回復を早めるための大変貴重で大切な情報となります。それをフル活用なさって下さい。普段から化学物質による不調を感じることができる、そして普段から体に負担の少ない日用品を選んできた私たちの出番です。普通の生活をなさっている方にはできません。

 

化学物質過敏症(CS)になってしまったことは、悪いことばかりでは無いのです。

 

 

しかし中には普段使用していないものを揃える必要が出てくる場合があり、今までの経験が使えないこともあります。

 

揃える日用品の中に使ったことの無いものがあれば嗅覚で選ぶ

 

例えば大人用おむつ。これは安全な商品を知らない可能性があります。(大人用紙おむつで安全なものは無いようですが・・)

 

その場合には、できるだけコマーシャルをしていないメーカーからピックアップ&ドラッグストア以外で購入しいくつか試してみる必要が出てくるでしょう。
(化学物質の付着量や価格の面から、購入先はアマゾンがベストだと思います)

 

そして選ぶ際にはご自身の嗅覚を利用してみて下さい。あなたの体は入院患者にとって危険となるものがわかります。
(あまり真剣に確認しますと体調を大きく崩す恐れがありますのでご注意下さい)

 

また、液体のマウスウォッシュを必要とする場合がありますが、これも残念ながら100%安全な商品は見当たりません。まずはお水だけで出来ないかを聞き、どうしてもということであれば、少しでも安全な商品を選ぶしかありません。

 

何かと妥協は必要となるのですが、何も考えずに選ぶよりは傍にいるあなたも当然のことながら、入院なさっているご家族の体への負担を大きく下げることが出来ますので、ご自身の体調と相談しながら頑張ってみられて下さい。


扉付き備え付け家具はVOC濃度が高く使えません

扉付き備え付け家具は使えない

病室には日用品を収めるための家具が備えられていると思います。

 

ですがその家具は、入院する患者の体への影響を考慮して選んではいません。

 

一度中を確認なさる体力があれば確認なさってみると良いのですが、ほんのわずかに扉を開けるだけで使えないことがわかります。

 

ですから、看護師に備え付け家具は使えないことを伝える必要があります。そしてその時には、シックハウス症候群は認知度が高いですから、「シックハウス症候群の原因物質があるから使用は難しい」と言えばそれで了解が得られるかと思います。
(病院によっては日用品を片づける棚をこちらで用意するように言われる場合があるかもしれません)

 

そして入院なさっている方にも、付き添われている方にも備え付け家具は開けないように伝えておくことも必要です。そうしませんと開く度に神経毒や発がん性物質を吸わせることになります。


食事や飲み物にも化学物質過敏症(CS)の知識が役立つ

病院食に注意

入院しますと必ず必要となるものの一つが病院食になりますが、これは食べ物と体調との関係を知っている化学物質過敏症(CS)患者の私たちにとっては、見るに堪えない物の一つになります。

 

体調が良くなるにつれ、点滴からおかゆ、そしておかずの付いた病院食へと変わっていくのですが、内臓機能が低下している入院患者に食べさせるのは不適当だと思われる食材が入ってきます。

 

そのため、もしかしますと食事が取れるようになってからひどい便秘や体調不良に悩まされることが出てくるかもしれません。(食材だけでなく、調理器具など他の原因も複数存在します)

 

その場合原因がわかるだけに、いかんともしがたいのですが、自宅からの所要時間にも寄りますが食事を毎度毎度自宅から持参するのは難しいことです。ですから病院で出される病院食を食べさせるしかありません。(何とかなるようでしたら持参した方が治りが早くなります)

 

そこで私たちにできる対策が換気になります。

 

「病院食」を食べていても、環境によって回復に大きな差が出るのを私は実際に見ています。

 

食べるにしても吸うにしても1つの体に入るのです。少しでも体に取り入れる化学物質の量を減らし、体の負担を減らしてあげることが必要なのです。

 

なお、病院食と一緒に出される”お茶”に関しては避けることが出来ます。こちらで”水”を持参すれば良いだけですから。(一般のお茶には高濃度の農薬が含まれます。体の回復を妨げますので必ず避けて下さい)


赤ちゃんや小さい子供はなるべくお見舞いに連れて行かない

赤ちゃんや子供はお見舞いに連れていかない

今この記事を読んで下さっている方は、少なくとも赤ちゃんや小さな子供ではなく、自身で自身の不調な部分を自覚し言葉にして表すことが出来る方だと思います。

 

ですから、痛みや倦怠感・気分の悪さなどを自身で自覚し、避けることが出来ます。

 

ですが赤ちゃんや子供は大人とは違い、不調な事を伝える適切な手段を持ちませんし、自身で避けることもできません。

 

病院に行くことで必ず何らかの影響は受けます。それは、泣く・落ち着きがなくなる・暴れる・疲れるといった神経症状だけでなく、便秘やアトピー性皮膚炎・喘息・食物アレルギーの重症化にも直接的に影響を与えることになります。

 

そしてそれは化学物質の影響をすでに受け、様々な症状が出ているあなたも同じです。気を付けて下さい。


空気質のコントロールのため、病室は可能な限り相部屋よりも個室を

早く退院できますように

もし可能であれば病室は個室にしてあげて下さい。

 

化学物質過敏症(CS)患者であれば、家族が持ち込む化学物質のコントロールが難しいことはよくわかっておられるかと思いますが、それは病院でも同じです。相部屋ではどうしても他の方に使用する薬剤や持ち込む日用品からの影響を大きく受け、結果、回復が遅れます。

 

そしてそれは入院なさっている家族に付き添うあなたの体調にも大きな影響を及ぼします。

 

入院期間をなるべく短くし、入院なさっている方の苦痛をなるべく早く取り去ること、それは化学物質過敏症(CS)であるあなたの体調悪化を少なくし、また病院で受けた影響からの回復期間を短くすることにも繋がります。

 

 

最後になりますが、ご家族が入院なさいますとどうしても無理せざるを得ませんが、ご自身の体を休ませることも忘れないで下さい。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

あなたがこれまで苦労して得られた知識によって、あなたのご家族が少しでも早く回復なさいますように。

 


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