母乳育児の重要性:母乳育児は親子のきずなを強くする
粉ミルクの主成分は牛乳です。
「牛乳」は、字のとおり、「牛の乳」です。
「人間の乳」、いわゆる人の「母乳」には、なれません。
なぜなら、母乳は母親の血液から作られているからです。
極端なたとえですが、牛の血液を人に輸血して生きていけるでしょうか?
また、哺乳類は人間、牛、ライオン、どの種類もそれぞれの赤ちゃんが無事大人になれるよう、何千万年もの長い長い進化の過程で、母乳の成分は、それぞれに適したものになりました。
人は人の、牛は牛の、ライオンはライオンの。
過酷な自然界で生き抜くのに必要な成長スピードを維持し、また、子孫を残していくために。
そう、人、牛、ライオンなど多種多様な、地球に住む私たちの仲間たちはみな同じように子孫を残していくために子育てをします。
しかし、生きていくと決めた環境が違うため、体のつくりや、成長スピードがそれぞれ違います。
そのため、母乳に含まれる成分も違ってくるのです。
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赤ちゃんを精神的に落ち着いた大人に育てるために
「粉ミルク」は主成分である牛乳から有効な成分を取り出し、人の赤ちゃんがある時期までそれだけで育つように、最適と考えられる成分配合に人工的に作りかえ販売されています。
また、母乳が出ないお母さんにとって「粉ミルク」は非常に心強い味方となります。
じつは私も2か月ほど母乳がうまく出ず「粉ミルク」に助けられました。
ですので、「育児の補助」としての必要性は十分に理解しています。
さらに、様々な事情を持ち、母乳育児ができない方もおられるかと思います。ただ、可能な限りあなたの子供に、あなたの母乳をあげて下さい。
「母乳育児」の効果というのは、母乳に含まれる栄養素によって赤ちゃんの体を大きくすること、だけでは無いのです。
母乳には赤ちゃんを病気から守る免疫が含まれる
世間一般的によく言われるのは母乳に含まれる免疫成分の重要性です。赤ちゃんの免疫が完全に発達するまで、病気にならないよう助けてくれます。
特に初乳は、外界に出てきたばかりの赤ちゃんにとって、感染症などから身を守るために非常に重要な免疫成分を含むことから、飲ませることの必要性が強く言われています。
母乳育児が就学後の学力に影響
そのほかでは、哺乳瓶と違い、顎をきちんと動かさないと母乳が飲めないため、母乳育児で育つ子は、粉ミルクで育つ子より顎を動かす時間が長く、脳神経の発達が促進され、就学後の学力にも影響を与えると言われています。
母乳を与えている1日4時間の時間が落ち着いた子どもを育てる
それらのプラスの情報も、後々育児をしていく中で非常に重要なポイントとなりますが、それはまた別に記事を書かせていただくこととしまして、母乳育児をおすすめする最大の理由は親子の触れ合う時間の長さです。
例えばマウスの実験では、赤ちゃんのとき、十分にグルーミング(毛づくろい)をされた個体と、されなかった個体とでは、成体となった時に、ストレスを感じる度合いが違っていた、というものがあります。
言い換えますと、グルーミング=体に十分に触れ、世話をしてもらった個体は成体となった時に、そうでない個体に比べストレスに強かった、さらに言い換えますと、大人になったとき、外部からの刺激に強く、精神的に落ち着いていた、というものです。
赤ちゃんに母乳を与える時間は、1回で30分間、1日に4時間あります。
その1回の授乳時間30分間に赤ちゃんは、母親のにおい、顔、声、体温、さらには抱っこの仕方などから母親を識別し、おっぱいを飲みながら指や足の先まで暖かくし、安心しきって寝てしまいます。
ところが、「粉ミルク」による授乳ですと、赤ちゃんはあっという間に飲み干してしまい、数分の授乳時間でベッドに置かれることになります。
また、最近増えているサイレントベビーの原因の一つとされる親子のコミュニケーション不足にも、母乳をしっかりと時間をかけてあげることで、特に注意する必要が無くなります。
(※サイレントベビーの主たる原因は化学物質になります)
親子のきずなを作るには触れ合う時間も重要
赤ちゃんが「母親」を認識し、また、母親も「私の子供」だと心から感じることのできる母乳育児。
自然に赤ちゃんと直接肌で触れあえ、接触時間を長く取れるのは、母乳育児ならではの特権です。
私がお伝えしている授乳時間は、3時間ごとに1回30分間、1日で8回、合計4時間あります。その時間を粉ミルクで育てられている方が同じように取ろうと思いますと、大変な努力がいります。
将来お子様が大きくなり、お子様が親との「きずな」を感じてくれたとき、ほんの1年半程の母乳育児がどれだけ重要であったか、どれだけ家族にとって大切なことであったか、改めて気がつくことでしょう。
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