赤ちゃんの成長の遅れが加速!乳幼児健診で基準緩和が続く異常事態
赤ちゃんの首のすわりやハイハイ、ひとり歩きし始める月齢が、昔に比べてだんだん遅れてきているのをあなたはご存知でしょうか?
『できない赤ちゃん』があまりにも多くなったため、国が『できる基準』そのものを緩く変えてしまったということは?
え!?どうしてそんなことに?
真意はわかりませんが、『不安を与えないように』との意図が働いているのかもしれません。
ただ、『できないことに対応した基準』を作ったにも関わらず、その基準ですらクリアできない赤ちゃんが増えてきている、という深刻な事態になってきています。
こちらのページでは、厚生労働省が10年ごとに行っている『乳幼児身体発育調査』に使う基準の変化と、調査結果からわかる発育の遅れについてご紹介します。
『今の基準』で、『他のお子さんと同じように育っている』ことが果たして安心できることなのか、『遅れ』を指摘されたときにどうすれば良いのかを考えるキッカケとなれば幸いです。
乳幼児身体発育調査について
1940年(昭和15年)から始まり、以降10年ごとに行ってきた全国調査になりますが、次回は2023年に行われる予定となっております。
2000年と2010年のデータは、総務省 政府統計の総合窓口内 乳幼児身体発育調査 にあります。
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乳幼児健診で赤ちゃんが「できる基準」をこっそり緩和
赤ちゃんの発育状況は、大まかに分けますと、6つの項目で判断されています。
- 首のすわり
- ねがえり
- ひとりすわり
- はいはい
- つかまり立ち
- ひとり歩き
そのうち、乳幼児身体発育調査で『出来る基準』が緩和された項目は、首のすわり、はいはいになります。
(※各自治体で行われている乳幼児検診の基準も同様に変更されます)
どういう風に基準が変わったのかご紹介していきます。
『首がすわる』の基準変更
1980年(昭和55年)の首のすわり基準は、『腹ばいで頭を持ち上げるかどうか』でした。
(※参考文献:特別資料 「平成22年乳幼児身体発育調査結果について」)
その『首のすわり』の基準が1990年(平成2年)に行われた乳幼児身体発育調査の時には、『引き起こして首が付いてくるか』となりました。
引き起こして??
文章ではわかりにくいですから、画像でご紹介しますね。
1990年(平成2年)以前の『首がすわった』状態
腹ばいで頭を持ち上げるかどうか、が条件です。
2000年(平成12年)以降の『首がすわった状態』
寝かせた状態から腕を持ち、ゆっくりと持ち上げるなか、どの過程でも頭がぐらつかないことが条件です。
元画像出典:【平成23年度 愛知県母子健康診査マニュアル(第9版)】あいち小児保健医療総合センター
(※画像は加工して使用しています)
発育状況が明らかに違うことがわかりますよね。
ではなぜ基準を変える必要があったのでしょうか?
1990年(平成2年)、2000年(平成12年)、2010年(平成22年)のグラフを合わせましたのでご覧下さい。
点線が平成2年(1990年)、黒線が平成12年(2000年)、赤線が平成22年(2010年)です。
2000年には基準を緩和したにも関わらず、1990年と比べて首のすわりが遅れているのがわかります。さらに2000年と2010年を比べても遅れが出ていますね。
検査時に首が遅れてしまうようであれば、少し体を戻してあげて、再検査しているにもかかわらずです。
もし基準を変えずに調査していたら、結果はどうなったと思いますか?
では次に、『はいはい』の基準がどうなったのかご紹介します。
『はいはい』の基準変更
はいはいの基準が変更されたのは、2000年(平成12年)の調査からです。
1990年(平成2年)までは、『両手と両足、または両ひざを使って、おなかを床に付けずに移動できるもの』でした。
(※参考文献:特別資料 「平成22年乳幼児身体発育調査結果について」)
それが2000年の調査時には、『はって移動できるもの』となりました。
こちらも画像でご紹介しますね。
基準変更による『はいはい』の違い
2010年以前の調査では、奥にいる子供のようなスタイルが『はいはい』でした。
ですが現在は、手前にいる子供の状態で移動できれば『はいはいができる』としています。
いわゆる『ずり這い』ですね。
ではできる基準を変え、赤ちゃんの発育がどのように変化してきたのかをご覧ください。
(※平成2年(1990年)の元データが見つからず、グラフを加工したため見にくなっています。申し訳ございません。)
平成12年(2000年)に調査を行ったとき、『ずり這い』でも『はいはい』とみなしているためでしょう、平成2年(1990年)よりデータ上の発育は早くなっています。
ですが、平成22年(2010年)に行われた調査では、20年前に行われた基準変更前の調査データと、ほぼかぶっています。
では基準が変更されていない『ひとり歩き』の発育状況はどうなっているのでしょうか?
『ひとり歩き』できる月齢が20年で1か月半も遅れる
ひとり歩きができた、とする基準。
- 物につかまらないで、2~3歩あるくもの
1990年以前はどうだったのかはわかりませんが、近年では上記の基準を使っています。
発育はどのようになっているのでしょうか?グラフをご覧ください。
ひとり歩きできる時期に、明らかに遅れが出ているのがわかります。
なお、平成2年(1990年)には、1歳1か月で80%の子供がひとり歩きができていましたが、平成22年(2010年)には1歳2か月半で80%となっています。
20年で、1か月半遅れてきているのです。
では他の発育はどうでしょうか?
赤ちゃんの発育は全ての項目で遅れが発生
全ての項目が合わさりますとかなり見にくいのですが、基本的に点線(平成2年)が左側に、黒線(平成12年)が中央に、そして赤線(平成22年)が右側に来ていると思います。
乳幼児身体発育調査の調査報告書には毎回、前回と比べて若干遅れが出ているという記述がありますが、前々回と比べますと、明らかに遅れているわけです。
おばあちゃんやひいおばあちゃん世代の方が、「首がすわらないわね」「ハイハイしないわね」「歩かないわね」と心配するのは、そのせいだったわけです。
筋肉がついても脳からの命令が伝わらなければ動けません
赤ちゃんは、最初に首周りの筋肉が発達し、『首がすわり』ます。
その後順に全身筋肉がついていき、寝がえりがうてるようなり、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩きと、赤ちゃんは自身の意思で体を動かせるようになっていきます。
ただ、筋肉がついていても、脳からの信号を伝える中枢神経が正しく動いていなければ、体を思ったように動かすことができません。
唐突に言われると意味がわからないと思いますが、これは非常に重要なことで、乳幼児健診の時に見られている項目の一つが『中枢神経の異常』になります。
国はデータ収集するだけ 親のあなたは動かなければいけない
厚生労働省が2020年にどのような基準を使って乳幼児身体発育調査を行うのかは、乳幼児健診を受けたあなたのお子さんのデータも使って決めるでしょう。
そう、乳幼児健診の膨大なデータと、10年ごとに行う乳幼児身体発育調査のデータを国は持っているわけです。
さらに言えば、環境省では平成23年からエコチル調査という10万人規模の疫学調査を行っています。
>> エコチル調査をご存知でしょうか?結果が出る前に行動を!
詳しくは上記ページ内でご紹介しておりますが、先天性異常や奇形の増加、各種病気になる子供が年々増えている原因となっている物質を探るために、妊娠時から普通に生活をさせ、12歳になるまでどうなるかを連続調査しています。
考えられている原因を一切公表せずに。
私たちの赤ちゃんは、国のデータ取りのためにいるのではありません。たくさんいる子供のうちの一人でもなく、それぞれが、それぞれにとってかけがえのない大事な赤ちゃんなのです。
『〇〇無添加』『赤ちゃん用』商品がなぜあるのかを考える
赤ちゃんの発育がだんだん遅くなってきていること。
発達障害や各種アレルギーなど、様々な病気が増えていること。
この原因は何か?
国は、膨大なデータから原因を割り出しています。
『不安を与えないように』との配慮もあるのかもしれませんが、赤ちゃんの正常な成長に問題があると言われている事項に関しては、国同士や団体、企業の利益を優先せず、必要な情報は公開し、私たちが選択できるようにするべきです。
『〇〇無添加』と書かれた商品がたくさんあります。
- なぜ〇〇を添加しないのでしょう?
- 『赤ちゃん用』は他の商品と、どこが違うのでしょう?
- 有機野菜とは?
- 遺伝子組み換えとは?
私はそういったことに長い間興味がわかず、何も考えずに普通に食べ、使ってきたために、自身の赤ちゃんに大変な思いをさせました。
発育の遅れも、頭をどこにでもぶつけるのも、夜泣きも、ぐずりも、よだれも、便秘も、熱を出すのも、その他の不調の多くの原因は、私たちが働いたお金で購入してきた物にあります。
詳しくは当サイト内の各カテゴリーでご紹介しておりますので、できるところから生活を赤ちゃんに合わせてみてください。
あなたが気が付き、一歩踏み出すことで、発育に関する不安は減り、体調は良くなり、ぐっと育てやすくなりますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。あなたのご家族全員が、毎日笑顔で暮らせますように。
>> 母乳育児のポイントと食べ物の選び方
(離乳食の食材についてもご紹介しています)
>> 母乳育児のポイント・もっと詳しい食べ物選び
(選ぶ際に気を付けてほしいポイントを詳しくご紹介しております)
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(髪の毛が立つ、よだれが出る原因などもご紹介しております)
>> 子供が健康に育つ環境をつくる
(エコチル調査で調べている原因物質のうち、環境に関するものをご紹介しております)
>> 日用品に潜む危険・子供を化学物質から守る
(エコチル調査で調べている原因物質のうち、日用品に関するものをご紹介しております)
>> 安全なおもちゃ、本など身の回り品の選び方
(赤ちゃんの身近にあるもので、気を付けて欲しいことをご紹介しております)
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