化学物質過敏症の子供が無事学校に通い続けることができるかどうかは、各教室の空気の流れも大きく関与してきます。
それは数値的には僅かな事かもしれませんが、教室によって空気質に違いはあるのです。そしてその違いは、揮発性有機化合物(VOC)の濃度の違いになります。
化学物質過敏症の子供にとっては(だけではありませんが)、少しの違いが体調や学習に大きな影響を及ぼしかねません。
また小学校では、保育所とは違い授業がありますから、できるだけ休むことなく学校に通えるようにしてあげたいところです。
こちらのページでは、教室と席の配置について学校側へお願いした事柄と理由をご紹介いたします。化学物質過敏症のお子さんが、スムーズに学校生活を送る手助けとなれば幸いです。
これは偶然発見したことでしたが、子供が小学校に上がるための話し合いを学校側とさせて頂いた際、教室の確認もさせて頂きました。その時に各教室の空気質に違いを感じたのです。
(生徒がいない時間帯で確認をしており、主に建材からの揮発を強く感じました)
なお見学時には、全体的に空気質が良くなかったものですから、入った先々で窓を開けて頂いたと思うのですが、24時間換気システムによっても、窓を開けての換気によっても空気の流れが出来にくい場所はどうしてもできるのです。
そこで4つのクラスのうち、比較的空気質が良い2クラスのいずれかに入れて頂けるようお願いしました。
1学年に1つのクラスしかない場合は難しいですが、1学年に複数クラスある場合は、事前に教室による空気質の違いを確認し、空気質の良い教室にして頂けるよう学校側にお願いをしておくことで、後に出てくる様々な問題を、空気の流れ(換気)一つで互いに少しの労力で解決することが可能になってくると思います。
ただ、クラス編成などが決定された後、または学校が始まった後での変更(改善)願いは、学校側だけでなく、他の児童への影響もある場合があります。ですから、事後ではなく、事前に環境の確認を行っておくことは本当に大事です。
座席の場所を窓際に固定
他と比べて空気質の良い教室にして頂いたとしても、教室の中心部に席が設けられては、ランドセル、教科書や授業中に使用する様々な学用品、そして子供たちが各家庭で使っている日用品等からの揮発で学校に行けなくなることがあります。
そこで私は、常に窓際にして頂くことと、常に換気をさせて頂けるようにお願いしました。
ただ冬期間は、窓際に蓄熱暖房機が設置されており電磁波の影響を避けたいと思ったことと、常に窓を開けての換気は難しいと思いましたので、廊下側にして頂き、廊下側の窓を開けて頂けるようにお願いしています。
席替えの度に子供に大丈夫かと聞くのは先生も親も大変です。ですから、場所の固定は互いに楽な方法だと思います。
なお私の子供が一番楽だと言いますのは、窓際の最後尾です。片側にしかお友達はいませんし、風上になりますから窓さえ開けておけば様々な揮発性有機化合物(VOC)を大量に吸わずに済みます。(※廊下側も一か所は開けておかないと空気の流れは出来ません)
また、学校では学用品だけでなく、衛生用品も使用されます。できるだけ揮発性有機化合物(VOC)濃度が低い場所にいられるように、そして揮発性有機化合物(VOC)が発生してもなるべく早く薄くなる場所の確保はとても重要です。
ちなみに私の子供が通っている小学校の校舎は建て替えられたばかりです。ですから当然真新しい24時間換気システムが設置され、気密と断熱性の高いサッシが入っているのですが、校舎全体として気密が取れていない=計画された空気の流れは生まれず、空気のたまり場が発生しています。
どれだけ新しい学校施設であっても、空気のたまり場は数多く、必ずあると思われた方が良いです。(自宅も同様です)
ですから、窓を開けなくても比較的空気質の良い場所と、窓開け換気によって空気質が良くなる場所を事前に確認し、その場所にいられるよう学校側にお願いしておくことが重要なのです。
なお親御さんが化学物質過敏症(CS)でない場合や、空気質の違いが感じられない場合はお子さんに確認して貰うしかありません。ですが長く校内にいますと違いがわからなくなったり、体調が悪くなり確認できなくなる場合があります。ですからお子さんには、教室毎の空気質の違いを確認するためだけに校内に入ってもらうのが良いと思います。
またお子さんに確認してもらう場合には、化学物質の影響を受けていない時と、受けている時のお子さんの表情の違いを普段から観察しておき、それをもとに判断なさると良いと思います。小さいと言葉ではうまく言えませんからね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。小学校に上がる時にはお願い事が増えます。少しでもお役に立てましたら嬉しいです。
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