子供に安全で刺激臭の少ない市販糊は?化学物質過敏症の学校生活
沢山のお友達がいて楽しいはずの学校生活。
しかし化学物質過敏症(CS)の子供にとって、安全性より利便性やコストを重視して選ばれる教材や文房具類は体調悪化の原因となっています。(本当は化学物質過敏症(CS)の子供だけではないのですが)
そして頻繁に使用される文房具の一つである糊も同様です。
こちらのページでは、私の子供が成長に伴う症状の改善によって段階を踏み選んできた市販のでんぷん糊と、スティック糊をご紹介します。
参考になれば幸いです。
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刺激臭が少なくCS反応の無いでんぷん糊は?
まず初めに。
市販糊の中でも保育園などで使用され、安全性が高いことが強調されているでんぷん糊ですが、腐敗させず長期間保存を可能とするには、必ず防腐剤や抗菌剤が必要となります。そしてそれらは間違いなく何らかの影響を子供の体に与えることになります。
化学物質過敏症(CS)の症状の度合いによっては、学校に行くだけで気分が悪くなったり、集中力が落ちる、目や口の渇き、体に痛みが生じたりと、様々な症状が出ておられるのではないかと思います。また、体調を崩すか崩さないかのラインを行ったり来たりなさっているお子さんもおられるのではないでしょうか?
そういった場合には、市販糊に含まれる化学物質の影響により体調がよりいっそう悪化する恐れがありますので、私は市販糊をお勧めしません。面倒でしょうが、糊を使用する日を前もって教えてもらい、小麦粉糊を作り、お子さんに持たせた方が良いと思います。(小麦粉糊につきましては近々アップしたいと思っております)
なお、赤ちゃんの手・口ふきにさえ強い防腐・抗菌剤が使われています。口に入ることを想定していない糊に何が使われれているのかは想像に容易いと思います。
>> 赤ちゃんの手・口ふきの全成分を徹底解明!安全性に疑問符
では私の子供が使えた市販のでんぷん糊をご紹介します。
内容物が似ているように見えても受ける刺激は全く違う
でんぷん糊で有名なのは、ヤマトの”ヤマト糊”と不易糊工業の”フエキ糊”になるかと思います。なお主成分は、ヤマト糊がタピオカ、フエキ糊がコーンスターチになり、どちらも天然素材を使用していること、ノンホルマリンであることなど共通点があります。
そしてその両方を試してみた結果、下のフエキ糊はそれほど刺激を感じず使うことが出来ました。
なお園児・学童向けでより安全性が高そうな不易糊工業の商品は下の”ひまわり”になるようですが、チューブタイプが無く、手やヘラで塗る必要があります。しかし何らかの防腐剤が使用されている商品を手で塗ることは体に良いとは思えませんし、液状糊の代わりを探していましたので、こちらは購入したことがありません。
「ひまわりのり」には抗菌剤入りの商品があります。もし試してみられる場合は、抗菌剤無しの商品を選んで下さい。
そして使えなかったヤマト糊の方ですが、糊自体に刺激臭があるだけでなく、中身の刺激臭が容器を通過しており、外で半年以上干していましたが、置いてある台にまで刺激臭が移っていました。(最終的には廃棄となりました)
<2016年6月25日追記>
ヤマト糊の刺激臭が無くなっていました
2015年に購入した時に感じた刺激臭ですが、2016年6月、別店舗にて確認をした際には感じませんでした。このことから、内容物は常に変化しているものと思われます。
この商品(会社)に限ったことなのかはわかりませんが、購入の際にはその都度実際に確認なされた方が安全だと思います。
次にスティック糊をご紹介致します。
においの少ないスティック糊はありませんでした
私の子供が小学校の4年生近くになった時、お友達が使っているような液状糊が欲しいと言い出しました。
しかし液状糊の刺激臭はどの商品もかなり強く、とても使えそうにありませんでした。そこでスティック糊にも視野を広げて探していたところ、下の天然素材のりを見つけました。
ただこちらはフエキ糊と比べてにおいが強いため(香料が入っている気がします)あまりお勧めしたくはないのですが、他のスティック糊や液状糊と比べますと、感じる刺激は優しいです。
そして我が家では、使いやすいスティック糊がどうしても欲しい、との子供の意見により、この糊を学校で使っています。(※成分の揮発がかなりありますから、我が家の屋内では使いません。)
2016年9月に上記商品は廃盤となりリプレ・ナチュラルは下記の商品にリニューアルされました。
こちらの商品は我が家ではまだ使用していません。”リニューアル”の場合は安価な材料へと変更されることが世の常だからです。(パッケージも何だか・・・)ですので私は廃盤商品をまとめ買いしました。
無くなり次第こちらの商品を試し、詳細をご紹介したいと思っております。
(※2017年8月現在まだ旧商品が販売されている&我が家でも在庫有りのため、お伝えできるのは2018年に入ってからになりそうです。)
なお私が商品を購入しているお店は私が住む市内にあるのですが、品ぞろえが特殊?で随分豊富です。そして他の文房具店では一度も見かけたことがありません。ですから販売している店頭を探す手間を考えますと、送料が多少かかってもインターネットを利用して購入された方が良いような気もします。
絶対に避けるべき商品は?
各社のHP上で、ノンホルマリン・無香料であることを強調する商品と、全く記載の無い商品があることから、記載の無い商品にはホルマリンや香料が使われている可能性が高いと考えられます。
ちなみにホルマリンとは、ホルムアルデヒド液になり、ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つとなっています。ですのでノンホルマリンと記載の無い商品は避けた方が良さそうです。
ホルマリンの持つ毒性
危険有害性情報
- 可燃性液体
- 飲み込むと有害
- 皮膚に接触すると有毒
- 吸入すると生命に危険(蒸気)
- 皮膚刺激
- 強い眼刺激
- 吸入するとアレルギー、ぜん息または、呼吸困難を起こすおそれ
- アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
- 遺伝性疾患のおそれの疑い
- 発がんのおそれ
- 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ
- 臓器の障害
- 長期にわたる、または反復ばく露による臓器の障害
- 水生生物に毒性
引用:安全データシート 純正化学㈱
お子さんが糊に直接反応していないように見えても対応を
親御さんの中には疲れからか、糊くらいで、または周りでみんな使っているから1人だけ替えても意味が無い、と思われる方もおられると思います。しかし、安全性を確かめずに使用してきたものの多くが体に害を与える物であった、そしてそれらによってお子さんの体調を悪くしている、という事実は、おつらいでしょうが現実です。
そしてプラスであってもマイナスであっても、少しずつの積み重ねが大きな違いとなって現れます。
実際に私の子供は、身の回りのものと食べ物を徹底的に見直すことで、いたって元気に学校に通っています。(常に努力と注意は必要ですが)
また、学校の宿題プリント類はどうする?化学物質過敏症の学校生活でも少し書きましたが、強い影響を与えるものが身の回りにある場合、それよりも弱い影響を与えているものには気が付いていない可能性もあります。
疑わしきは罰する、という言葉がある通り、お子さんが元気になるまで原因物質の特定と除去は頑張ってください。なさった努力の積み重ねにより、お子さんの体調は間違いなく良くなります。
なお私の子供が使えたセロハンテープについては下記のページでご紹介しております。
>> 刺激臭の少ないセロハンテープは?化学物質過敏症の学校生活
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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