化学物質臭が少ないスキーウェアは?化学物質過敏症の学校生活
化学物質過敏症(CS)にとって、化学繊維(化繊)も撥水加工も体調を崩す原因となります。(他の子供達も同様ですが)
ですから今までは傘を除きそれらを身に付けない生活をしてきました。しかし、とうとう学校の授業でスキー学習を行う学年になってしまい、スキーウェアを用意する必要が出てきました。
(学校側にはレインコートでは体調を崩すことを伝え、傘で対応して貰っていました)
ですが体調を崩すことがわかっているのに、ただ普通にスキーウェアを選ぶわけにはいきません。
こちらのページでは、私が子供の為にスキーウェア代わりとして購入した商品をご紹介いたします。
化学物質過敏症の子供でも、体調を崩すことなく、お友達と楽しい時間を過ごすお手伝いになれば幸いです。
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アウターウェアはゴアテックス(GORE-TEX)をチョイス
小学校中学年になるまで、子供には私が作ったウールの防寒着だけを着せていました。それは、1時間程度の雪遊びでは水がしみ込むことも無く保温に関しても十分な効果があったからです。
ですが私の住む県では、小学校の授業に”スキー学習”があり、とうとう丸1日、しかも仮に雨が降っていても濡れない防寒着を用意する必要が出てきました。
そこで意を決してスキーウェアを見にスポーツ用品店に行きました・・・結果はわかってはいたのですが、商品からの揮発はとても多く、とても子供に着せることのできるレベルの商品はありませんでした。
(※店舗内は空気質が非常に悪いですから、CSの方は行かないことがベストですが、どうしてもと言われる場合は完全防備で極短時間で済ませる方法を取って下さい。)
本当に残念な事ですが、一時的に使用する、または短期間でサイズアウトしてしまう子供用(キッズ用)として販売されている商品に、安全なものは極端に少ないのです。(価格もその分抑えてあり、一件良心的に見えるのですが・・・)
そこで少し大きいとは思ったのですが大人用で探しましたところ、下のゴアテックス(GORE-TEX)素材を使用したモンベル(mont-bell)の登山用レインウェアの揮発がそれほどではないことに気が付き購入することにしました。
(※既に嗅覚がおかしくなっていた状態での確認です。体調が悪くなりますから思い切り吸い込まないで下さい)
なお防寒を考えますと、この商品がベストですか?と聞かれましても返答に困るのですが、私には化繊の影響を極力無くしたいという思いがありますから、防水さえできれば良い、ということでこちらで良しとしました。
過去にビブスでも大変な目に合っていますから、化繊には本当に懲りているのです。その詳細については下記のページの後半に書いております。
>> 食物アレルギーの本当の原因は?医師が認めたがらない改善方法
ただゴアテックス(GORE-TEX)は、諸手を上げておすすめ出来る素材ではありません。逆に、本来は出来るだけ避けて頂きたい素材の一つです。
ゴアテックス(GORE-TEX)とは?
ゴアテックス(GORE-TEX)は、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造・販売する防水透湿性素材です。
その素材は1平方センチメートルに約14億個もの微細な穴を持ちますが、その穴はとても小さいため、水蒸気は通しますが、雨風は通さないのです。
そして水蒸気が温度の高い所から低い方へ、また、湿度の高い所から低い方へと移動することを利用し、ウェア内が蒸れ、ベトベトするのを防いでくれます。
このゴアテックスの機能は高く評価されており、多くのスポーツメーカーが採用し商品を出しています。そして今回私が購入しましたのは、登山用品を製造販売していますモンベル(mont-bell)の商品になります。
商品の素材は、ゴアテックスに撥水性を持たせた生地と体側の生地で挟み貼り合わせた「ゴアテックス®ファブリクス3レイヤー」を使っています。(※ゴアテックスに貼り合わせる生地は、各メーカー独自の技術を使い特色を出しています)
出典:モンベル(mont-bell)
家庭で洗濯ができます、というよりしなければならない
ゴアテックスは、微細な穴を詰まらせないよう、汚れが付いた場合は漂白剤や合成香料・柔軟剤等を使用せず洗い、その後は十分にすすぎを行い、洗剤を残さない洗濯をする必要があります。
また、熱を加えることで防水スプレーをかけることなく、機能を回復させることができます。
(※屋内で熱を加えますと危険だと思います)
ただ、機能の低下が起こって来ましたら防水加工を施す必要が出てきます。メンテナンスの詳細については日本ゴアのサイトにて確認ください。
>> メンテナンスの仕方(日本ゴア㈱)
なお耐久性については、きちんとケアをすれば「何年」というしばりはないようですが、私のようにきちんとケアしない方の場合は5年を経過した頃から中に水が滲みてくるかもしれません。
と言いますのも、もう20年程前の事ですが、当時飼っていた犬の為に購入したレインコートがゴアテックスでした。そして一度もきちんと洗うことなく、また防水スプレーもかけずに使用を続けた結果がそうだったのです。
(説明書を読んでいなかったため、洗うと防水機能が落ちると思い込んでいたのです・・・)
なお前述しましたとおり、洗剤の残留により穴が塞がり透湿機能が落ちていきますので、できれば洗剤は使わない方がベストです。
そこで私は洗剤を使わずに洗濯できるベビーマグちゃんを使いました。
・・・防水してくれるのに蒸れず、自宅で洗濯&メンテナンスが可能で長く着られるゴアテックス。クリーニングによる害を受けることもありませんし本当に良い商品に思います。しかし、何事もプラスの面があればマイナスの面があります。
撥水剤とゴアテックスに環境ホルモン作用(内分泌かく乱作用)
撥水剤には環境ホルモン作用を持つ化学物質が使われています。
そしてゴアテックスも環境ホルモン作用を持つ化学物質が使われていました。
ゴアテックスについては現在では切り替えが済んでいるようですが、時間の経過とともに新しい害が確認され、代替品へと移行するということが日常的に行われています。
私は、購入した商品を3週間、屋外である程度揮発成分を飛ばしてから試しで子供に着せましたが、1時間半ほど着用した段階では、思考力・肌共に何も反応はありませんでした。ですが、それで体への影響が無い、という判断はしない方が良いと思います。
また、子供は後日「ウェアが臭かった」と言っていましたし、2日後には数年ぶりに風邪をひいています。因果関係はわかりませんが、影響は必ずあると思います。
購入しやすい価格の子供用スキーウェアでは、毎回防水スプレーを使用する必要が出てきます。また、クリーニングに出すことで有機溶剤だけでなく、撥水加工によって撥水剤からの影響も受けることになります。
本来”子供”に着せるべきではありません。
では次に今回購入した商品の詳細をご紹介します。スキー靴はバッチリ履けますよ。
モンベル(mont-bell)のレインウェアに施された雨水が入らない+使いやすい工夫
まず、フードには”ひさし”が付いており、ひさしの上下、首周りの3方向から調節ができ、顔まわりにきちんとフィットさせることができます。
そして首元のジッパー上部にも水が入り込まないように工夫されています。
また登山用ということで、ひじは立体裁断され、動きやすいように工夫されています。
そしてパンツにはロングボトムジッパーが付いており、登山靴を履いたままでも着用できるようになっています。
そのおかげでスキー靴の上からパンツの裾をかぶせることができ、雪が靴に入るのを防ぐことができました。(スキーウェアでは当たり前の機能なのですが・・)
なおレインダンサージャケットは、あくまでもレインウェアですから、スキーウェアと違い、中に防寒用として温かい衣類を着込む必要があります。
また、ジャケットとパンツは別売りです。ですので、ジャケットは中にしっかりと衣類を着込むことを想定し大きめを、そしてパンツは足の長さに合わせたサイズを購入しました。
詳細はサイトでご確認頂ければ良いかと思います。
以上、私が消去法の中で長年悩んだ末に選びました防寒着をご紹介いたしました。
ですが、もし同じような商品を選ばれたとしても、必要最低限での着用をおすすめします。普段は、撥水・保温性に優れた天然素材のウールがベストです。
(※ウールは合成香料のにおいを付けますと簡単には取れないですからお出かけには使いません。)
なお手袋と帽子、マフラーは手編みです。使用した毛糸などの詳細についてはまた別の記事にてご紹介したいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。お子さんが元気に雪の中で遊べますように。
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