本当に「卵」アレルギー?健康な平飼い鶏の卵だと食べられるかも
今では本当に多くの子供たちが食物アレルギーを持っており、そのうち卵に反応する子供が全体の4割になるそうです。
そして私の子供もそうです。卵を食べると蕁麻疹(じんましん)が出ましたし、アレルギー検査では卵白で陽性と出ています。
ですが「鶏を平飼いしている特定の生産者の卵」は食べられます。もしかするとお宅のお子様も除去しなくてもよくなるかもしれません。
除去食は大変ですし、兄弟がいれば一人の子供のためにかわいそうだから、と家族全員除去するわけにもなかなかいきませんよね。
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鶏の飼育方法は2種類ある
鶏の飼育方法には大きく分けますと、ケージの中で飼われる「ケージ飼い」と、床の上で自由に歩き回ることのできる「平飼い」の2種類があります。
そして、通常スーパーなどに並んでいる安価な卵は、ケージ飼いされた鶏の卵になります。
ずらっと並んだケージから顔を出し餌をついばむ鶏をTVや本などで見たことがあると思いますが、ケージ飼いの鶏は羽を広げることもできない非常に過密なスペースにいます。
極端に狭いケージの中で病気が蔓延する
ケージ飼いの鶏は、身動きの取れない極端に狭いスペースに複数羽ずつ入れられています。
それはできるだけ省スペースで一定の利益をあげる為の工夫の一つとなります。
また、鶏は夏が過ぎ日が短くなる秋から冬にかけ、ホルモンの関係でだいたい2~4か月卵を産まなくなります。
これは、冬期間に子どもを持ったとしても、自然界では餌が無いため雛を育てることができませんから、当然のことです。
しかし生産者からすれば、卵を産まなくなった鶏をそのまま継続して飼育することは有益ではありません。ですから、その時点で処分する業者もいますが、1週間から10日ほど断食をさせる業者もいます。
なぜ断食をさせるかと言いますと、断食をさせられた場合、鶏の体重が25~30%程落ちます。その際、鶏はショックから羽が抜けます。そして、その後再度餌を与えられますとまた卵を産み始めるのです。その場合、卵を産まない期間は約1か月になります。
その方法を強制換羽(かんう)と言います。
そして強制換羽をした時に鶏の体力は落ちますから、病気が蔓延する可能性が高くなります。その際、病気にかからないよう抗生物質が飼料に混ぜられるのです。
またそうしたとき、抗生物質に対して耐性を持つ多剤耐性菌がいつも問題になります。そして、伝染病が発生するたびに大量処分されるのです。
対して平飼いの鶏は、羽を広げ、床をつつきまわるスペースを与えられています。
ある程度の運動が可能ですので、ケージ飼いの鶏に比べ病気になりにくく、抗生物質などの薬物を必要としていない養鶏場が多くあります。
卵は次亜塩素酸ナトリウムで消毒・洗卵され出荷される
健康的でない飼育方法で取れた卵にはサルモネラ菌が高い確率でついているため、食品衛生法に基づき、次亜塩素酸ナトリウムで消毒・洗卵され出荷されます。
次亜塩素酸ナトリウムは、液体の塩素系漂白剤や殺菌剤などに使用されています。
簡単に言いますと、塩素で消毒・洗卵し出荷しているということです。
そう、アトピー・喘息・化学物質過敏症のお子さんを持つ親が必死になって対策をしている、水道水に含まれる塩素と同じ、次亜塩素酸ナトリウムです。
関連記事
>> お風呂の塩素対策|ローズヒップで傷跡が治った!
卵が冷蔵庫に入っているだけで子供が反応して髪の毛が立ってよだれが出る、と言っていたお母さんがおられましたが、今から思いますと、塩素に反応していたのではないかと思います。
(赤ちゃんにとって塩素は大変危険です)
対して、平飼い卵などの独自ルートで販売をされている場合は、生産者と消費者との相互信頼に基づくとのこと。
実際には消毒・洗卵をしていない養鶏場が多いようです。ただ、独自判断になりますのでご確認ください。
苦痛を与え続けられた鶏の卵を拒絶しているのでは?
養鶏場の一列にずらっと並んだケージは「バタリーケージ」と言います。
そして、バタリーケージは鶏にとって健康的でないだけでなく、苦痛を与える飼育方法であるとし、「バタリーケージの卵を食べたくない」という運動も世界的に起こっています。
<関連リンク>
バタリーケージ飼いの採卵養鶏場の実態について
>> 僕らはみんな生きている
(鳩ほーほーさんのブログ)
それは卵を産むためだけに、身動きも取れない場所で、本能を無視され、そして1~2年という苦痛に満ちた極端に短い一生が生まれる前から決められ、また、健康的でない環境のために病気になり、その度に大量処分される家畜達に、私たちができることの一つなのだと思います。
なお、EUの採卵鶏福祉基準は2012年までに今までのバタリーケージは廃止され、1羽当たりの最低面積基準は550平方センチメートルから750平方センチメートルへと拡大され、しかも15㎝の止まり木と巣箱を付けなければならなくなったようです。
(参照:独立行政法人農畜産業復興機構 アニマルウェアフェア畜産物の生産・流通・消費拡大の可能性と課題)
また、ケージ飼いそのものを無くそうとする動きも広まりつつあります。
話が逸れましたが、健康な飼育によって薬物を使わずに産み落とされた鶏の卵は、私たちに栄養「生きる力」を与えてくれます。
拒絶反応である「アレルギー」が、「生きる力」を持った「卵」に対してそう頻繁に起こるのでしょうか?子どもたちの体は何を「拒絶」しているのでしょうか?
アレルギー反応陽性でも特定の平飼い卵は食べられる
私の子供は、母乳育児中から卵に反応することがわかっていました。
ですので、2歳近くまで卵を除去した生活を送りました。
ですがある時「安全な卵は食べられるかも」という話を聞き、試してみることにしました。
ケージ飼いの卵を試してみる
まずは比較的手ごろな価格の富山県高岡市にある㈱セイアグリーシステムの卵です。
セイアグリーシステムは、1段ケージ飼いで、鶏舎の洗浄・消毒を徹底することで、鶏の餌には薬剤を使用しない方法を取っています。さらに、無洗卵です。
なお、サルモネラ菌の汚染については毎年検査をおこなっており、汚染フリーであることを確認されています。
ちなみに私の子供は、アレルギーテストで、卵白に陽性反応が出ていましたので、卵を茹で黄身だけを少し食べさせてみました。
ところが、軽い蕁麻疹が出ました。
多分ですが、鶏舎内に使用された消毒と餌?に反応したのではないかと思います。
平飼い卵を試してみる
次に試しましたのが、富山県南砺市で平飼いしておられる上村さんの卵です。
鶏は開放鶏舎で飼育され、餌はポストハーベスト汚染の無い非遺伝子組み換えのトウモロコシが2割程度、そのほかは出来るだけ県内や身近で採られた大豆・大麦・ごま粕・米ぬか・おから・かき殻・かぼちゃ・かぶら・雑草やくず米などを与えているそうです。
当然無洗卵になります。
そして試したところ、反応がありませんでした!卵白も大丈夫!
ただ、体調が悪い時はやっぱりダメで反応します。ですが、普段は食べられますから、その後継続して購入しています。
そうしますと食事のレパートリーがぐっと増えますので、本当にうれしかったです。
ですが、”平飼い卵”に安心しきってはいけません。
平飼い卵を購入する時の注意点
一つのアレルギーを持っているだけでも、子供は当然ですが、親は本当に大変です。
ですから、”卵アレルギーを持っている子供が安心して食べられる卵は、平飼い鶏の卵ね”と、ここで完結したいのですが、実はもう少し踏み込んで選びませんと、良い結果とならないのです。
鶏が健康に育つ面積を確保していますか?
”平飼い”と称している鶏舎の中には、鶏は単にカゴに入っていないだけで、結局は過密状態の健康的でない飼育方法を取っていることがあります。
そうしますと当然鶏は病気にかかりやすくなりますから、抗生物質や消毒が必要となり、そして卵アレルギーの原因となります。
ですから、カタログやホームページ上の印象だけで”健康的な鶏な卵”だと判断するのは危険なのです。
しかも過密状態で飼育された鶏が産んだ卵であっても、”平飼い卵”だということで、一般の卵よりも価格を上げて販売されており、近年問題となってきています。
アレルギーの原因物質を飼料として与える
鶏がそれなりのスペースを与えられて飼育されていたとしても、餌に、現代アレルギーの原因の一つと言われる遺伝子組み換え飼料や、本来鶏が食べない動物性の原料が入っていれば、その卵を食べた子供は当然アレルギー反応が出やすくなります。
実際、子供が食べられたと前述致しました上村さんが育てる鶏の餌は、非遺伝子組み換えトウモロコシと野菜類でしたよね。
遺伝子組み換え飼料の問題点
遺伝子組み換え作物は、農薬を製造販売する会社が作っており、その会社が作る特定の農薬を散布しても枯れないように遺伝子操作がされています。
そして日本に大量に輸入されている遺伝子組み換え作物は、3つの大きな問題を抱えています。
- 組み替えられた遺伝子=地球上に存在しなかった未知のたんぱく質
- 大量散布された農薬
- 輸送と保管時に虫の被害を受けない為の防虫剤(ポストハーベスト)
動物性原料の問題点
動物性原料には、油脂が含まれます。そのため防腐剤と酸化防止剤の使用が不可欠となります。
ですが防腐剤や酸化防止剤には発がん性をもつ化学物質が使われることが多く、また、それらの物質で鶏は免疫力を低下させ病気にかかりやすくなったり、炎症を起こしたりします。
さらに、本来草食である動物に動物性の原料を与えますと、また炎症の原因となります。
詳しくは下記ページをご覧いただけますと幸いです。
>> 牛乳アレルギーの原因は飼育方法に!?牛の健康を考えていますか?
そして実際に私の子供は、混合飼料を与えられている鶏の卵をほんの少し食べただけでアレルギー反応が出ています。
(反応が出ましたので餌を伺ってみたところ、ホームセンターで販売されている飼料を与えているということでした)
また別の鶏舎の話ですが、餌に白えびの殻を使用していたためにアレルギー反応の要因となったこともあったそうです。これは、酸化防止剤等にも問題があったのかもしれませんが、エビにアレルギーを持つ方も多くいますので、反応を大きくした可能性があります。
ですから卵を選ぶ際には、「鶏が何を食べているのか」も重要なポイントとなるのです。
正直面倒ですが、私のように、試しては止め、試しては止め、ではもっと面倒です。ですので初めから、現段階で一番安全だと思える卵で試して見られると手間が省けると思います。
卵アレルギーが出にくい鶏の飼育方法まとめ
卵白のアレルギー陽性反応が出ている私の子供が食べられた卵は、次の特徴を持っていました。
- 土間での平飼い飼育(過密でない)
- 「本来の食べ物と大きく変わらない」野菜などを餌として食べている
- 遺伝子組み換え飼料不使用
- 餌・鶏舎に薬剤を使用していない
- 卵の消毒・洗卵をしていない
健康的な環境で健康的な餌を食べている鶏は、病気にかかりにくく、また、アレルギーの出にくい健康的な卵を産む、ということです。
小規模になると思いますが、全国で上記の方法を取っておられる方はたくさんおられます。
ただそうした場合、生産コストが高くつきますので、商品の価格はどうしても高くなります。ですが、健康な卵には非常に高い栄養があります。
卵はダメ!と除去し続けるのはお子さんだけではなく、お母さんにとってもつらいこと。可能であれば一度試してみられてはいかがでしょうか?
ただ、重度のアレルギーを持つお子様の場合は、当然医師に相談し、立ち合いのもと試食をおこなってください。また、遅延性の症状として出る子も多いですから、2日ほど観察を続ける必要があります。
実際に、病院で(一般的な)卵を食べるテストをし、経過観察後帰宅したお子さんが、夜中に体温の低下、意識の混濁が起こった例があります。
また、私の子供は陽性とはいえ数値が2.88と低いです。ですから、あなたのお子さんが同じように食べられる保証はありませんし、例え同じような数値であったとしても、体調などにより強い反応が出る場合もあります。いずれにせよ医師に相談の上、十分に気を付けて試食、そして観察をおこなってください。
私の子供が食べられる卵
上村さんがHPを持っておられないため、連絡先をご紹介いたします。
販売者 : 山里農場 上村欣也
住 所 : 富山県南砺市杉尾131
電 話 : 0763-66-2740
商品名 : きんやのたまご
ちなみに「きんやのたまご」の黄身の色は、かぼちゃを食べるとオレンジっぽく、米を食べるとレモン色になります。何を食べたのかわかって面白いです。
また上村さんの卵は、富山県内ですと、富山市のみどり共同購入会、富山市と高岡市のMOA自然食品の店グリーンマーケット、砺波市、南砺市の各道の駅で販売されています。
ちなみに、富山市にある土游野さんの卵も一度食べたことがありますが、その時は反応なしで大丈夫でした。
ただ後ほど聞いた話ですが、レストランで出た野菜の残や、魚介類を餌に混ぜているそうです。そして頻度は少ないですがエビが入ることもあるそうで・・・。
やはり鶏のエサはきちんと確認した方が良さそうです。
最後まで読んで下さりありがとうございます。安心して食べられる卵が見つかりますように。
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