母乳育児中やアレルギー子は米の質に注意!栽培方法で症状に違いが
ある時、母乳マッサージ先でママさん達と話しているとき、お米の話になりました。
お米は『コシヒカリ』より『ササニシキ』の方がいいわよ。アレルゲンが少ないから。
うちはお米アレルギーだから、『ゆきひかり』。冷めるとおいしくないけどね~
・・・当時、新米ママさんだった私。米の成分なんて気にしていないどころか、米アレルギーまであるの??という状態でした。
しかし乳腺が詰まり、乳腺炎でとても痛い思いをしていたため、仕方なくお米探しを始めたのです。
そして最後に選んだのは、約40年、無農薬・無化学肥料栽培されているコシヒカリでした。
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米の品種によってアレルギーの出方が違うわけ
お米の種類は大きく分けますと、『もち米』と『うるち米』の2種類です。
普段食べていますのが『うるち米』。そして私の地元でよく食べられている『うるち米』は、『コシヒカリ』です。
もち米とうるち米の違い
もち米はお餅や赤飯、おこわなどに使われるお米で、白く不透明で見た目もうるち米とは違うのですが、大きな違いはでんぷんの成分になります。
うるち米はアミロースとアミロペクチンがおよそ2:8なのに対して、もち米は、アミロペクチンのみでアミロースを含んでいません。
もち米のもちもちした弾力は、アミロペクチンのおかげです。
ちなみにもち米は、母乳育児中は食べると乳腺炎、または、赤ちゃんのアレルギーの原因になります。もち米に含まれるアミロペクチンが関係しているようです。
昔、食べるものが乏しかった時代に、母乳が良く出るように『もち』を食べさせた、という話も聞きますが、おそらく回数は少ないと思います。
米はアミロースとアミロペクチンの比率の違いで品種ごとの個性を出している
今私たちが食べているお米は、いかに育てやすいか、また、おいしくできるか、と試行錯誤を繰り返しながら品種改良されてきました。
その結果、栽培地域に合った、たくさんの品種が世に出回っています。
その中で、上記のママさんたちの会話に出てきました品種のアミロースとアミロペクチンの比率は下記のとおりです。
コシヒカリ
- もち米と掛け合わせた品種
- アミロース17%、アミロペクチン83%くらい。
- アミロペクチンの割合が高く、もちもちとした触感が楽しめます。
ササニシキ
- アミロース20%、アミロペクチン80%くらい。
- うるち米本来の含有率。コシヒカリよりすこしあっさりめ。
ゆきひかり
- アミロース21%、アミロペクチン79%くらい。
- 低たんぱくで低アレルゲンと有名なお米。
低アレルゲンと言われるゆきひかりと、コシヒカリのアミロース含有量の差はわずか4%。
そのほんのわずかなアミロースとアミロペクチン含有量の違いによっても、アレルギーの出方が違ってくるのです。
系統やアミロース含有量より作り出された年と栽培方法が大事
なるべく古くからある品種を選ぶ
品種による、アミロースとアミロペクチンの含有量の違い、これがアレルギーを起こす原因ではないか?との説に重きを置き、『安全な米』を、品種で選ぶ方が多くおられます。
ですが一番重要なのは、品種が作られた年代にあります。
と言いますのも、米や小麦は、1940年~1960年代にかけ、化学肥料を大量に投入した作付けに対応できる品種を作り出した緑の革命によって、大きく質が変わったからです。
そしてその後も品種改良は続けられ、米や小麦にアレルギー反応を起こす人が増え続けています。
ですので、アレルギーを起こす人が少なかった時代の品種を選ぶ=原点に帰る方法を取るわけです。
品種改良についての詳しくは下記のページでご紹介しております。
>> 小麦がなぜ食べられない?小麦由来の病気が増えた理由と解除の方法
小麦と米は同じように改良が重ねられており、同じ問題を抱えています。参考資料になれば幸いです。
コシヒカリ、ササニシキ、ゆきひかりの登録年
コシヒカリ
コシヒカリの登録年は1956年になり、比較的古くからある品種です。
ですが、いもち病に強い、コシヒカリ新潟BL・コシヒカリ富山BL・コシヒカリつくばSD1号・コシヒカリ富筑SDBL1などが作られ、従来品種との区別無く、『コシヒカリ』として販売されています。
購入者には、従来のコシヒカリとBL品種との区別がつきません。
<参考資料>
>> 品種情報|国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
>> とやま農・園・畜研だより 第9号 平成23年1月 P4~P5|富山県農林水産総合技術センター
ササニシキ
ササニシキの登録年は1963年。
こちらも比較的古くからある品種になり、かつてはコシヒカリと人気を二分していました。
コシヒカリより先にBL品種を作付けし、ササニシキとは異なる名称、『ささろまん』として世に出しましたが、ササニシキのブランドイメージを引き継がなかったことも原因となり、広がりを見せることはありませんでした。
コシヒカリBLでは、そのササニシキBLの失敗を踏まえ、『コシヒカリ』を使用したようです。
<参考資料>
>> 品種情報|農業・食品産業技術総合研究機構
>> 4 多系品種「ササニシキBL」の追加品種「東北IL6号」|宮城県
ゆきひかり
ゆきひかりの登録年は1986年になり、比較的新しい品種です。
コシヒカリやササニシキが、うるち米ともち米との掛け合わせでできている中、うるち米同士の掛け合わせで作られた珍しいお米です。
このゆきひかりを、農薬や化学肥料を使用せず栽培した場合、アトピー性皮膚炎や米アレルギーが改善するとも言われています。
<参考資料>
>> 道総研農試の育成品種(水稲)|北海道立総合研究機構
低農薬(減農薬)栽培と通常栽培が体に与える差
『てんたかく』の方が『コシヒカリ』より、あっさりして良いみたいよ。
母乳育児中、通常栽培のコシヒカリで乳腺炎が治らなかった私は、そうアドバイスを受け、低農薬(減農薬)栽培の『てんたかく』を食べてみることにしました。
当時食べていた『コシヒカリ』より『てんたかく』は確かに、あっさりしていました。アミロペクチンの含有量がコシヒカリよりも少ないということです。
そして実際に、少し体が楽になったのです。
そこで、これは良いことを聞いたと、しばらく続けてみることにしました。
が、しばらくしますと、やはり胸の調子が・・・。
実は、低農薬(減農薬)とは、農薬をかける回数が少ないことを指し、長期間効果が続く毒性の強い農薬を使用しているお米だったのです。(※全てではありません。栽培方法を根本から見直し、農薬の削減をなさっている農家さんもおられます)
なお、品種の違いにしか着目していなかった当時に、通常栽培の『ササニシキ』も食べてみましたが、やはり、いったん体調が回復するのですが、また元に戻るのです。
いったん反応が和らいだのは、使用されている農薬の成分が違ったため、コシヒカリに使用された農薬の反応が弱まり、その後、てんたかくに使用されている農薬に反応を開始するまでのタイムラグだったのではないかと思います。
ですから私の体感として、減農薬と通常栽培での差は少ないです。
無農薬・無化学肥料栽培でも生産者によって質に差が
当時途方にくれていた私に、近くで無農薬・無化学肥料でお米を作っている方がいるよ、との情報が入ってきました。
品種は『コシヒカリ』でしたので不安があったのですが、早速試してみることにしました。
そうしますと、1週間程経った頃でしょうか、母乳の調子が良くなり、子どもの肌のかさつきも無くなっていったのです。
その方のお米はそれからずっと頂いているのですが、その方は、MOAの生産者でした。
ただ一度、いつも頂いているお米の在庫が切れてしまい、同じく、近くに住むMOAの生産者を紹介され、そちらのお米を頂いたことがあります。
そちらの品種も同じく『コシヒカリ』で、無農薬・無化学肥料栽培になります。
違いとしては、前者の粒は小さく、食べるとあっさりしており、後者は粒が大きく、もっちりとした味わいです。
そして、後者を食べ始めて1週間ほど経ち・・・どうも体調が思わしくないのです。
栽培方法がどう違うのか詳しく聞いていませんが、米だけでなく、前者の作物はすべて小ぶりで、後者の作物はすべて大きく立派です。
どうも、肥料の質や、量が違うようです。
無農薬・無肥料栽培の生産者の中には、通常栽培された苗を購入なさっている方がおられます。この場合には、種子に農薬が、土には殺菌剤や化学肥料が含まれますので、ご注意ください。
私は体中に炎症が起こりました。
粒が大きく立派なものは選ばない
食物アレルギーが強い方や、化学物質過敏症の方の中には、無農薬・無化学肥料栽培、または有機栽培の米や野菜が食べられない人がいます。
しかし、肥料を全く与えない、無農薬・無肥料栽培であれば食べられる方が多くおられます。(※作付けされている土地や、品種改良などにより食べられない場合があります)
これは、肥料の質や量に問題があります。
肥料が抱える問題
家畜のフンには、農薬や化学肥料、遺伝子組み換え作物や抗菌剤、抗生物質、ホルモン剤などの様々な薬剤が含まれます。
植物性肥料の場合でも、農薬や化学肥料、遺伝子組み換えや油の抽出時に使用される薬剤、放射能汚染などの様々な問題があります。
また、肥料が例え安全であっても、肥料過多になれば、硝酸態窒素の含有率が上がり、酸素欠乏症や突然死などを起こすおそれがあります。
<参考資料>
>> 硝酸態窒素の問題点と解決方法|国際交流の会とよなか(PDF)
肥料を多くあげると、作物は大きく立派に育ちます。
ですが、硝酸態窒素の含有量が増え、健康被害が生じます。
我が家でもほとんど肥料はあげずに野菜を育てたりしますが、そういった育て方をしますと、本当に少し、小さな野菜がとれるだけです。
ですので作物のサイズは、安全性を見分ける一つの目安になります。
作付けされた土地の安全性には、栽培期間も目安に
有機JASでは、慣行栽培に使われていた土地で栽培されたお米は、作付けから2年以上過ぎないと認可されません。
<参考資料>
>> 有機農産物の日本農林規格|農林水産省(PDF)
これは、土地に農薬や化学肥料が高濃度に残留しているからです。
ですが最近、農薬や化学肥料を使用しないで作物を育てる方の中に、初年度から安全な作物だと販売する方がおられます。
農薬や化学肥料で汚染され、やせてしまった土地で、それらを使わない栽培方法に切り替えるのはとても大変なことですし、ご本人は確かに一度も農薬も化学肥料も使ってはいないのですが、一言付け加えて販売して頂けますと、私の様な者には、とても助かります。
なお、合鴨農法を発案された荒田氏によると、農薬は30年抜けないとのこと。
成分の分析結果を見たわけではありませんから真実の程はわかりませんが、実際に私は、10年間、無農薬無肥料栽培されている田んぼの米で炎症が起きています。
ですので、より安全なお米を選ぶには、栽培期間は外せない要素です。
種もみを自家採取し続けている農家から購入
以上のことから、アレルギー反応を起こす人が少なかった時代の、より安全なお米に近づくには、30年以上の長きにわたり無農薬無化学肥料栽培をなさっており、かつ品種改良と農薬・化学肥料の影響を避けるため、種もみを自家採取をなさっている農家さんをまず選ばれるのが良いです。
周囲の農家が、化学肥料と農薬を大量に与え、収量を大幅に伸ばしていく中、化学肥料と農薬を使わず栽培を続けて来られた方は、継続できるだけの膨大な知識と行動力をお持ちです。
そのうえで、肥料は何か(動物性肥料は×)、水源はどこなのか、周囲に工場などが無いかなどを確認し、試食するお米を選ばれると良いと思います。
地元で安全なお米を入手する方法
我が家で普段頂いているのは、約40年無農薬・無化学肥料栽培されている田んぼで育てられたお米です。
その中でも、売り物にならない『くず米』を分けてもらっているのですが、当然流通はしていませんので、農家さんから直接頂くしかなく、ちょっと手間がかかります。
ですが直接購入することができれば、生産者の顔が見えますし、栽培方法などを詳しく伺うことができ、安心感が増えます。さらに『くず米』ですので、少しお安く手に入れることができます。
もっと言いますと、お米だけを作っている農家さんは、まず、いません。大抵はお米と同じように安全な方法で野菜も栽培しておられますから、お米と一緒にお野菜も頂くことができるかもしれません。
厳格な無農薬・無化学肥料栽培を長くなさっている方は、全国におられます。ただとても小規模で、しかも高齢者が多く、ネット上で情報を得ようと思っても難しい場合があります。
その時には、全国にある自然食品のお店のHPに生産者さんが載っていることがありますし、地元の道の駅にお米や野菜を出している方もおられますので、チェックしてみると良いです。
ただ、無農薬・無化学肥料と表示してはいけないことになっており、『栽培期間中農薬不使用』または、何も表示が無かったりします。
選びようがないですね。
ですが、お店の方には「無農薬で・・」と伝えておられる方もいますので、お店の方に無農薬・無化学肥料のお米や野菜が入っていないか確認してみると良いです。
また、例え野菜しか出しておられなくても、直接行けば同じように栽培されているお米を分けて頂ける場合があります。
実際私がお米を購入させて頂いている方がそうでしたから・・・と言いますか、道の駅に務めている方から情報を得ました(#^.^#)
<参考資料>
>> 特別栽培農産物に関わる表示ガイドラインQ&A|農林水産省(PDF)
米アレルギー反応を小さくするには米以外にも配慮を
医師が情報を出さないため、よくあることなのですが、〇〇アレルギーだとして、該当する成分だけを抜いている方がいます。
例えば、砂糖はイネ科のサトウキビから作られています。
砂糖をてんさい糖に替えることで、米に対する反応が減ることがあります。
砂糖に関してはこちらをご覧ください。
>> 母乳育児・離乳食の調味料選び~砂糖
また、アレルギー反応を強くする物を食べたり、使ったりしている方も多くおられます。
例えば、柔軟剤や芳香剤などに使われている香り成分には、本人が直接使わなくても、吸い込むだけでアレルギー反応を強くする成分が含まれており、大きな問題となっています。
>> 合成香料はアトピーや喘息、咳喘息、各種アレルギーの原因に
それらの、医師が言えない情報については、下記のページでご紹介しております。
>> 食物アレルギーの本当の原因は?医師が認めたがらない改善方法
主食であるお米を「選ばないといけない」というのはとても疲れるものです。
母乳育児をしながら情報収集するのも、赤ちゃんを抱いて探し回るのも。
こちらの記事が少しでもお役に立ちますと嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
『間違いだらけの食物アレルギー情報』は、子どもの食物アレルギーについて研究されてきた真鍋氏の著書となります。
最近見つけた書籍ですが、食品や環境汚染からの影響についても書かれており、本当の意味でアレルギーを克服するきっかけになると思います。
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